カタール買収1年目、PSGの「無冠だった最後のシーズン」ベストイレブン

2011年にカタールの政府系ファンドに買収され、世界トップクラスの資金力を得るに至ったパリ・サンジェルマン。

ただ、その初年度であった2011-12シーズンはリーグアンで2位となり、モンペリエにタイトルを掻っ攫われている。まだカップ戦でも勝てなかったため、「最後の無冠シーズン」となっている。

今回はその2011-12シーズンを戦ったパリ・サンジェルマンのベストイレブンをご紹介しよう。

GK:サルヴァトーレ・シリグ

国籍:イタリア

PSG所属:2011~2017

2011-12シーズンの公式戦成績:41試合0ゴール

現在:フィオレンティーナ所属

このシーズン開幕前にパレルモから獲得されたイタリア人ゴールキーパー。元々はニコラ・ドゥシェズのバックアップと考えられていたものの、圧倒的なシュートへの反射神経を武器にすぐレギュラーを奪取。開幕からシーズンを通してゴールマウスを守った。

2015年にケヴィン・トラップが加入してからはバックアップになり、ローン移籍を経て退団。トリノで長く活躍したあとジェノア、ナポリを経てフィオレンティーナに加入している。

右SB:クリストフ・ジャレ

国籍:フランス

PSG所属:2009~2014

2011-12シーズンの公式戦成績:44試合3ゴール

現在:解説者

ロリアンから2009年に加入したスキンヘッドの右サイドバック。中盤もこなせるユーティリティ性と運動量、オーバーラップを武器に存在感を見せ、このシーズンはセアラーとポジションを争いつつ公式戦44試合に出場した。

グレゴリー・ファン・デル・ヴィールの加入や負傷によって後に出場機会を失ったが、その後はリヨンに移籍して復活。フランス代表でも16試合に出場した。なお現在は解説者としてメディアで活躍中。

CB:ママドゥ・サコ

国籍:フランス

PSG所属:2002~2013

2011-12シーズンの公式戦成績:26試合0ゴール

現在:モンペリエ所属

10代でパリ・サンジェルマンのアームバンドを巻いた生え抜きディフェンダー。2007年にデビューしてから徐々に出場機会を増やし、このシーズンは第1キャプテンとしてスタートしたものの、後半戦で就任したアンチェロッティ監督の下でベンチに降格。ミラン・ビシェヴァツやディエゴ・ルガーノとともにサブの役割となり、キャプテンも剥奪されてしまった。

2013年に退団した後はリヴァプール、クリスタル・パレスでプレーし、2021年からはフランス・リーグアンに戻ってモンペリエに所属している。

CB:ズマナ・カマラ

国籍:フランス

PSG所属:2007~2015

2011-12シーズンの公式戦成績:28試合0ゴール

現在:パリ・サンジェルマンU-19監督

このシーズンはビシェヴァツ、サコ、アレックス、ディエゴ・ルガーノとたくさんセンターバックがいたが、結局もっとも出場したのはパリ・サンジェルマンのレジェンドであるズマナ・カマラであった。

この時すでに30代になっていた彼は2015年にパリ・サンジェルマンで引退。すぐにアシスタントコーチとしてローラン・ブラン、ウナイ・エメリ、トーマス・トゥヘルを支え、2021年からはアカデミーでの指導に移っている。

左SB:シャカ・ティエネ

国籍:コートジボワール

PSG所属:2010~2013

2011-12シーズンの公式戦成績:29試合1ゴール

現在:引退

2010年にヴァランシエンヌから加入したコートジボワール人のレフティ。中盤とサイドバックをこなす攻撃的な選手で、このシーズンはシルヴァン・アルマンとポジションを争い、ほぼ併用されるような形で29試合に出場している。

2013年にパリ・サンジェルマンを離れてからはモンペリエに移籍し、2015年に現役引退。その後はコートジボワール代表100試合以上に出場したレジェンドとしてアフリカで指導や普及活動を行っているようだ。

DMF:ブレーズ・マテュイディ

国籍:フランス

PSG所属:2011~2017

2011-12シーズンの公式戦成績:35試合1ゴール

現在:引退

このシーズンにサンテティエンヌから獲得されたブレーズ・マテュイディ。現役を引退したクロード・マケレレの後釜としてセンターハーフのポジションを任された。後半戦で就任したアンチェロッティ監督の下ではチアゴ・モッタがアンカーになったため、彼がインサイドハーフに上がって攻撃面での才能も開花させた。

2017年に退団した後はユヴェントスへと移籍し、3シーズンを過ごした後に契約を解除してアメリカへと渡った。そして今話題のインテル・マイアミに所属し、2年間プレーして退団。昨年現役を引退した。

DMF:マテュー・ボドメル

国籍:フランス

PSG所属:2010~2013

2011-12シーズンの公式戦成績:42試合3ゴール

現在:ル・アーヴル ディレクター

本来はボランチながら、リールでは攻撃的なトップ下として大ブレイクし、その後移籍したリヨンでなんとセンターバックにコンバートされたという便利屋ボドメル。ただディフェンスはあまり好きではなかったという。そして子供の頃からファンだったというパリ・サンジェルマンに加入した。

マテュイディやチアゴ・モッタの台頭によって次年度には出場機会が減少し、サンテティエンヌへと貸し出されたあとにニースへと放出されている。その後ギャンガン、アミアンでプレーして現役引退。

OMF:ハビエル・パストーレ

国籍:アルゼンチン

PSG所属:2011~2018

2011-12シーズンの公式戦成績:43試合16ゴール

現在:カタールSC所属

「エル・フラコ」(やせっぽち)と呼ばれる天才テクニシャン。2011年にパレルモから3980万ユーロで加入して圧倒的な技術とアイデアを見せつけ、このシーズンはなんとリーグアンだけで13ゴールを決めた。ただこの頃が彼のピークでもあった。

2018年に退団したあとはローマでプレーしたがコンディション不良であまり出場機会が得られず、3シーズンで37試合しか起用されず。エルチェを経てカタールに渡り、現在も中東でプレーしている。

右WG:ジェレミ・メネズ

国籍:フランス

PSG所属:2011~2014

2011-12シーズンの公式戦成績:42試合9ゴール

現在:バーリ所属

パストーレと同じくカタール資本になってからすぐに行われた大型補強の一つ。ローマで活躍していたわがままアタッカーのメネズは800万ユーロとお買い得だった。このシーズンはコンブアレ監督にもアンチェロッティ監督にも愛用されて活躍した。

イブラヒモヴィッチらともうまくプレーしたものの3年目には16試合にしか起用されず、2014年にはミランへと移籍。セリエAで16ゴールと大活躍した。それからボルドー、アンタルヤスポル、クラブ・アメリカ、パリFC、レッジーナ、バーリと渡り歩いている。

左WG:ネネ

国籍:ブラジル

PSG所属:2010~2013

2011-12シーズンの公式戦成績:47試合27ゴール

現在:ジュヴェントゥージ所属

間違いなくこのシーズンのエースであったブラジルの名レフティ。モナコから加入し、その巧みなドリブルやクロス、そしてフリーキックとシュートで多くのゴールを生み出した。

このシーズンはリーグアンの得点ランキングで2位となり、クラブのチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく貢献。ただ2012-13シーズンは出場機会が少なくなり、2013年1月にカタールのアル・ガラファへ放出されている。42歳の今も現役でプレー。

FW:ケヴィン・ガメイロ

国籍:フランス

PSG所属:2011~2013

2011-12シーズンの公式戦成績:45試合14ゴール

現在:フリーエージェント

このシーズンはワントップをギヨーム・オアローと争ったケヴィン・ガメイロ。ロリアンで前年度22ゴールを決めるなど大活躍したが、システム上得意とする飛び出しがうまく使えず、今ひとつ先発ではその得点力が生かせなかった。スーパーサブ的な役割のほうが活躍した印象がある。

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2013年にセビージャに引き抜かれてスペインで活躍し、アトレティコ・マドリーとバレンシアでもプレーした。2021年に古巣のストラスブールに戻っていたが、昨季限りで契約が満了となってフリーになっている。

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