●7日連続警戒アラート
厳しい暑さが続く今夏、富山県内の小学校でプールの使用を中止する学校が続出している。県内では7月26日から7日連続で熱中症警戒アラートが発令されており、水の中に入っていても熱中症になる恐れがあるため、児童の健康と安全を優先している。大半の学校は夏休みに入ってからほとんどプールを開放しておらず、子どもたちの夏の楽しみが失われている。
1日、富山市内では最高気温が37.5度と今年最高を更新した。市教委によると、64校のうち63校が夏休み中のプール開放を予定する。しかし、熱中症警戒アラートが発令された場合は原則中止するよう市教委から各校に通達しているため、7月26日以降は全ての学校がプールを開放していない。
光陽小では夏休み初日の同25日~8月7日のうち、土日曜などを除く9日間でプール開放を予定。1日までに開放したのは初日の午前のみ。県内の酷暑はしばらく続く見通しで、土井和哉教頭は「今夏はプールを開放できないかもしれない」と話した。8月8日以降はお盆休みや教員の研修があるため難しいという。
子どもたちにプールを使用させるか、中止にするか。各校が判断の基準にしているのは、暑さ指数や熱中症警戒アラートだ。気温や湿度から算出される暑さ指数は31以上で「運動は原則中止」が呼び掛けられる。熱中症警戒アラートは暑さ指数33以上が予想される時に気象庁と環境省が発表する。
県内の大半の自治体は熱中症警戒アラートが発表されると、小学校のプール開放を原則中止としている。舟橋村で唯一の小学校の舟橋小は夏休みに入ってまだ1日も開放できていない。屋内プールを利用している射水市堀岡小ではプールまでの行き帰りに熱中症になるリスクを考慮し、熱中症警戒アラートが出ている日は保護者による送迎を条件としている。
学校プールが使用不可となる一方、射水市の県民公園太閤山ランドのプールは連日にぎわっている。7月22日のオープンから31日までに1万8933人が訪れた。1日当たりの利用者数は新型コロナウイルス前の2019年を上回った。
同プールでは熱中症対策として水分補給や休憩を場内放送で呼び掛ける。ウオータースライダーの順番待ちで熱中症にならないよう霧状の水を噴射する装置を設置してある。
担当者は水中でも汗をかくため知らず知らずのうちに脱水症状が進むと指摘し、「子どもは夢中になって遊ぶので特に注意が必要。しっかり目を光らせている」と話した。