県内熱中症7月364人 救急搬送、前年より108人増

  ●金沢、平均28度、輪島26度 史上2番目

 石川県内で7月に熱中症の疑いで救急搬送された人は、過去10年で2番目に多い364人に上ることが1日、北國新聞社の取材で分かった。前年同月より108人多い。7月の平均気温は金沢28.0度、輪島26.2度といずれも2018年に次ぐ観測史上2番目の高さとなった。8月も4日に金沢の最高気温が38度と予想されるなど、猛暑が見込まれ、金沢地方気象台は水分補給など対策を呼び掛けている。

 7月の熱中症の搬送人数364人は18年の517人に次ぐ多さだった。消防本部別では金沢市98人(前年同月比39人増)、白山野々市68人(36人増)、七尾鹿島51人(11人増)の順となった。

 搬送時の症状別では軽症244人、中等症107人、重症12人、不明1人。能登町では18日、建設現場で作業をしていた50代男性が重症の状態で搬送され、その後死亡した。

 7月の平均気温は平年より金沢で2.2度、輪島で1.8度それぞれ高く、観測史上最も高かった18年の28.3度、26.7度に迫った。最高気温が35度を上回る猛暑日は、七尾で5日連続を含む6日、小松で5日、金沢で4日記録した。

 日照時間も金沢231.8時間、輪島209.3時間と多くなり、それぞれ平年の139%、132%を記録した。一方、降水量は金沢202.5ミリ、輪島152.5ミリでそれぞれ平年の87%、76%にとどまった。

 気象庁によると、7月が暑くなったのは、台風が発生するフィリピン付近で、積乱雲の活動が活発で太平洋高気圧の勢力が強くなり、暖かい空気が日本付近に流れ込んだためという。

 8月も暖かい空気に覆われやすく高温が続く見込み。1日は寒気の影響を受けて雨の降った所もあったが、最高気温は七尾で猛暑日となる35.5度を観測。金沢でも34.5度を記録した。

  ●10市町で11人搬送 熱中症警戒アラート

 2日ぶりに熱中症警戒アラートが発表され、各消防によると、少なくとも10市町で11人が熱中症で救急搬送された。2日も熱中症の危険性が極めて高くなるとして気象台などは警戒を呼び掛けている。

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