経産相、茨城漁連訪問 処理水放出、理解求める

茨城漁連が入る「すいさん会館」を出る西村康稔経済産業相(左)=1日午後3時58分、水戸市三の丸

西村康稔経済産業相は1日、茨城県水戸市三の丸の茨城沿海地区漁業協同組合連合会(茨城漁連)を訪れた。関係者によると、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、茨城県漁業関係者に改めて説明し、理解を求めた。面談は非公開で行われた。

西村氏は午後2時50分ごろ、茨城漁連に到着。処理水の放出を巡り、漁業者に説明した。全て非公開で行われ、約1時間後、同所を後にした。6月10日にも同漁連を訪れ、漁業者と面談している。

西村氏は7月29日に宮城県、30日に福島県を訪れ、漁業者に処理水放出への理解を求めた。漁業者からは「現状通りの生活ができるのか」との不安や正確な情報発信を求める声が相次いだ。この日も茨城県漁業者からの要望や質問に答えたとみられる。

岸田文雄首相は1日午前、西村氏ら関係閣僚と官邸で協議し、安全性の確保と風評対策の徹底、地元や国際社会に対する丁寧な説明、情報発信を指示した。西村氏は閣議後の記者会見で首相の指示を明らかにした上で「しっかりと丁寧に説明したい。地元の皆さまと意思疎通を密にし、信頼関係を深めたい」と話した。

処理水の海洋放出時期を巡り、政府と東電は「夏ごろ」としている。7月14日に西村氏が全国漁業協同組合連合会(全漁連)で理解を求めた際、同席した茨城漁連の飛田正美会長は取材に「反対という姿勢に変わりはない」と述べている。

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