【台風進路予想】沖縄の後は西日本から東日本へ向かう可能性も 10日先までの気象庁&海外予報モデル結果が示す意味 予報円急拡大のワケ

3日先以降の予報円は急拡大 中心線は東へ向かうも…

現在、沖縄地方に大荒れの天気をもたらしている台風6号。このあとも比較的ゆっくりとした速度で沖縄本島のすぐ南の海上を通っていく予想です。

その後、台風がどこへ進むのかは定まっていない状況です。台風の行方を大きく左右する夏の高気圧の張り出しが弱まる予想がありますが、この予想が定まっていないためです。

アメリカ海軍の進路予想を見ても8月4日以降、予報円の中心線は東へと向きを変えて奄美地方へと向かっています。

一見すると進路をUターンさせて東へ向かうかのようにみえますが、必ずしもそうなることを意味しているわけではありません。

気象庁の台風進路予想では、予報時刻に予報円の円内に中心が入る確率が70%であって、予報円の中心線を通る確率が高いわけではありません。3日先以降の予報円が急に大きくなっているのは台風の進路のブレ幅が大きいためです。

西日本方面へと進む可能性がある一方、東シナ海を北上していく可能性もあるほか、大陸方面へ向かう可能性もないわけではありません。西か北か東か、どちらに向かうかハッキリしないため予報円が大きくなっています。ではそのあたりについてアメリカやヨーロッパの海外予報モデルの結果を含めて見ていきます。

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて、進路を確率的に予想するものです。その予想のばらつきが大きいほど予報円が大きくなります。

アメリカ海洋大気庁の10日先(240時間先)までの数値予報モデルの結果です。進むコースのバラツキはかなり大きな状況です。まだ大陸方面へ進む予想もあれば、東シナ海を北上するデータ、九州付近へと向かうデータも出ています。

ヨーロッパモデルでは日本列島へ進む予想がより強く

一方、ヨーロッパ中期予報センターの10日先(240時間先)までのアンサンブル予想結果です。ラインの一つ一つが計算結果です。沖縄付近を通過後、東シナ海で向きを変えて日本の南岸または西日本から東日本方面へと進む結果が、アメリカのモデルよりは強く出るようになっています。東シナ海を北上したり大陸方面へと進む予想はほとんどありません。

気象庁が週間天気予報の作成などに用いるアンサンブル予報で示された気圧配置です。何十通りも計算されてますがそのうちの一部データを示しています。8月6日夜の予想ですが、全体的にはまだ東シナ海にあることを示すデータが多くなっています。

さらにその先の8月8日夜の予想データの一部です。東シナ海を北上して朝鮮半島へ達しているものや九州の西海上に達しているものなど様々です。

現時点でハッキリといえることは、まずは沖縄周辺では台風の影響が長引くということです。その後については、まだ台風6号の進路予想にバラツキが大きく確定的なことはいえない状況です。

それでも来週は沖縄以外でも台風の影響が出てくる可能性があるということは気にしながら、今後も最新の台風情報にご留意ください。

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