「話す」が低調

 うどん屋に何人かで入ったとする。1人が「僕はきつね」と注文した。英訳すると? 「アイム・ア・フォックス」…じゃないぞ。高校の英語の授業で、先生が冗談めかして言ったのを、なぜか今でも覚えている▲では〈図鑑、クッキー、Tシャツの中から4歳の男の子へのお土産にふさわしいものを選び、その理由を英語で伝えなさい〉と問われたら? 全国学力テストで出された中学3年英語の問題の一つで、正答率は16%だった▲中学生でこの数字は悪くないように思えるが、4年ぶりの中3英語の正答率は全体的に大きく下がったという。「読む・聞く・書く」もそうだが、とりわけ「話す」が低調だった▲先ほどの「お土産選び」も含め、問題が難しすぎたともいわれる。読む・聞く・書く・話すの「あれもこれも」を求められ、ハードルも上がる学校現場は戸惑うばかりだろう▲「僕はきつねうどんにする」ではなく「僕はきつね」で事足りるように、短くて簡単な英語で考えをどう伝えるか。教科書では学べない難問だろう▲残念ながら本県は、全教科で正答率が全国平均を下回った。中学生の授業以外での学習時間が短いらしい。遠いわが身を顧みれば、とても言えた義理ではないが、読む・聞く・書く・話すに加え「復習する・予習する」も不可欠らしい。(徹)

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