7月茨城県内 猛暑日15日 笠間や土浦、過去最多

県内は7月、猛暑日が相次いだ=同月10日、水戸市南町

茨城県内は今夏、勢力の強い太平洋高気圧に覆われ、異例の暑さが続いている。7月は最高気温35度以上の猛暑日が計15日。笠間市や土浦市では、猛暑日の日数が過去最多となった。気象庁は、地球温暖化やエルニーニョ現象などの影響で今後も暑さが続くとみており、熱中症や天候の急変などに注意を呼びかけている。

水戸地方気象台によると、7月は、16日に古河市で38.8度を記録したほか、観測した県内14地点のうち13地点で猛暑日となった。猛暑日の日数は、同市と土浦市が15日、笠間市が14日だった。30日には土浦市などで38.1度となり、同市は同月の最高気温を更新した。県内は24日から8日連続で猛暑日となった。

気象庁の3カ月予報では、県内は8月以降も全体的に暑くなると予想されている。南米沿岸などで海面水温が平年より高くなる「エルニーニョ現象」で熱帯域全体が暑くなり、温暖化の影響もあって地球全体が高温傾向という。

エルニーニョ現象が発生すると、日本付近では太平洋高気圧の張り出しが弱くなって冷夏になりやすいが、同気象台は「今年は違うようだ」と指摘。今夏は熱帯インド洋の温度変化なども加わったことで、「太平洋高気圧が日本の南で勢力を増し、本州付近に暖かい空気が流れ込みやすくなっている状態」と分析する。

天気が晴れて暑くなったところに上空の寒気が触れると大気が不安定になるため、「雷や突風も発生しやすくなる」と注意を呼びかけた。

厳しい暑さで、熱中症搬送者人数も平年より増加。県消防安全課などによると、今年5~7月の熱中症搬送者人数は1326人。6月から猛暑日を記録していた前年同期とほぼ同じ水準だが、21年(655人)に比べると倍増した。

水戸市と城里町を管轄する水戸市消防局によると、救急搬送されるのは65歳以上の高齢者が4割以上を占め、発生場所は室内が一番多いという。

県は、室内でも油断せずに、エアコンで温度調節したり、水分補給したりする必要があると指摘。「高齢者は暑さを感じにくいことがある」として、温度計の設置も有効としている。

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