大相撲・豊昇龍関、古里柏へ堂々凱旋 初Vと新大関、市長に報告

優勝報告に太田市長(右)を訪ねた豊昇龍関(中央)。左は柏力会の小田山会長=1日、柏市役所

 大相撲名古屋場所で初優勝した豊昇龍関(24)=日体大柏高出=が1日、柏市役所を訪れ、太田和美市長に初めてつかんだ賜杯の喜びと大関昇進を堂々と報告した。青春時代を過ごした柏を“古里”と呼んで愛着を示し、恩師や支援者らと今も続く交流や優勝を喜び合ったエピソードを披露。「柏の皆さんの応援が励みになった」と感謝した。

 豊昇龍関はモンゴルの中学卒業後、日体大柏高に留学して市内で寮生活を送った。同高レスリング部所属時に相撲を志し、相撲部に転身。「太らないといけないので、夜食を市内のラーメン店や焼き肉屋で食べた」と当時を振り返った。

 平日は高校の土俵、週末は柏市中央体育館相撲場で稽古に明け暮れた。現在は柏相撲少年団代表として小中学生を指導する永井明慶さん(41)が相撲部監督だった。「稽古は厳しかった。でも普段は優しい人だった」と回想。今も場所中を除き、同少年団で稽古をつけるため、市内を月1回ほど訪れていることを明かした。

 優勝決定戦を制した先月23日の千秋楽については、「我慢したが涙が出てしまった」と話した。同日、応援に駆け付けた柏ゆかりの力士を応援する「柏力会」会長の小田山博史・柏商工会議所会頭が客席で涙を流している姿に気付き、電話で報告した永井さんからは感激の泣き声とともに「良かったな」とねぎらいの言葉を受けた。柏の支援者との強い絆もアピールした。

 大関として臨む9月場所に向けては風格を漂わせ「けがのないよう一番一番に集中し、声援に応えたい」と話した。

 太田市長は「入門後5年半での大関昇進に敬意を表する。多くの市民の期待に応え、子どもたちに勇気を与えた」と快挙をたたえ、市は1日の訪問に合わせ本庁舎に「祝優勝・大関昇進」の懸垂幕を設置。柏駅と柏の葉キャンパス駅前の大型ディスプレーで優勝を決めた瞬間の映像などを放映し、柏が育んだ大関誕生を祝っている。

柏市役所に太田市長を訪問した豊昇龍関(中央)。左は柏力会の小田山会長=1日

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