茨城県6施設、9月にも意見まとめる 県議会特別委が審議開始

県有施設・県出資団体等調査特別委の初会合=県議会議事堂

茨城県議会の県有施設・県出資団体等調査特別委員会(田山東湖委員長)は2日、初会合を開き、県などが所有する120施設と県が出資する33団体を対象に審議を始めた。県が売却方針を示している鹿島セントラルホテル(神栖市)など6施設については重点的に議論し、9月をめどに意見をまとめる見通し。

先行して議論するのは、これまでに県が民間売却や譲渡、事業廃止方針などを固めている同ホテルや、白浜少年自然の家(行方市)▽里美野外活動センター(常陸太田市)▽青少年会館の偕楽園ユースホステル(水戸市)▽洞峰公園(つくば市)-の各施設。

県は5施設に加え、健康づくりや介護予防推進事業などを手がける健康プラザ(水戸市)についても、来年3月以降の指定管理を見直す方針を説明。県直営や指定管理の継続について「特別委員会で審議してもらう」(県健康推進課)との考えを示した。

特別委はこの日、調査の方針と活動計画を決めた。施設の設置目的や利用状況を確認するほか、処分の妥当性、指定管理など今後の対応、経営状況や課題などを探る。対象は学校や道路、河川を除く県有施設と県が出資する33団体。出資団体のうち、経営評価で「改善の余地あり」とされた9団体を重点的に調査する。

来年3月に指定管理の更新を予定している、あすなろの郷(水戸市)や笠間芸術の森公園(笠間市)など20施設については、いずれも更新を承認した。

調査期間は来年9月までの1年間。次回は30日に開催する予定。審議は月1回の頻度で行い、来年8月に報告書案を固めた上で、同9月の定例会で最終報告を提言する予定。

審議後、取材に田山委員長は「各施設の中長期的な財政状況を踏まえ、さまざまな角度から議論したい」と話した。

■県7施設は新事業探る

県は2日の県有施設・県出資団体等調査特別委員会で、県有施設7カ所について、民間ノウハウを生かした新事業を探るなど運営の在り方を検討していると明らかにした。施設の老朽化や利用者の減少などが進む中、活性化を目指す。

新事業などを検討している対象は、国民宿舎鵜の岬(日立市)や併設する会議場カントリープラザ鵜の岬(同)▽大洗マリンタワー(大洗町)▽港中央公園(同)▽大洗公園(同)▽県民の森(那珂市)▽植物園(同)-の7施設。

県は昨年度、各施設で民間事業者向けの現地説明や聞き取り調査などを行った上で、事業提案を募集する「サウンディング調査」を実施。誘客施設としての魅力向上を進める。県民の森、植物園の両施設では、民間アイデアを取り入れた基本構想を策定し、リニューアルを検討する考えも示した。

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