ビヨンセ、自身の曲で踊っていた際に刺殺されたダンサーを追悼

米ニューヨーク・タイムズによると、現地時間2023年7月29日にニューヨークのガソリンスタンドで友人たちとビヨンセの『ルネッサンス』に合わせてヴォーギングしていた黒人クィア・ダンサー、オシェイ・シブリーが刺殺された。これを受けて、ビヨンセが、自身のウェブサイトでシブリーに追悼の意を表した。

ビヨンセは大文字で「Rest in power(安らかに眠ってください)、オシェイ・シブリー」と書いた。

プロダンサーであったシブリーが、殺害される前に反同性愛的な中傷を受けていたと警察は米CNNに語った。ニューヨーク市警察は現在、彼の死をヘイトクライムの可能性があるとして捜査している。CNNによると、警察は彼を刺した犯人と思われる17歳の少年を捜している。

米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”の首位に立ったビヨンセの7thソロスタジオ・アルバム『ルネッサンス』は、ブラック・クィア・カルチャー、ボールルーム・カルチャー、およびダンス・ミュージックの影響を大きく受けており、これらは、黒人LGBTQIA+アーティストやクリエイターたちの努力によって築かれた。『ルネッサンス』は4つの【グラミー賞】を受賞し、米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”でトップ10入りした「ブレイク・マイ・ソウル」(1位)と「カフ・イット」(6位)の2曲を収録している。また、このアルバムにはビッグ・フリーディアやシド、ティーエス・マディソンやハニー・ディジョンまで、多くのクィア・アーティストがコラボレーターとして参加した。

シブリーの死は多くの注目を集めている。ニューヨーク州上院のブラッド・ホイルマン=シガル議員は現地時間7月31日に「今週末、オシェイ・シブリーさんがニューヨークで亡くなったことを知り、悲嘆に暮れ、怒りを感じている。反同性愛の人々がどうがんばっても、同性愛の喜びは犯罪にならない。憎悪に満ちた襲撃こそが犯罪だ」とツイッターに投稿した。

GLAAD(アメリカ国内においてLGBTの人々のイメージに関するメディアモニタリングを行っている非政府組織)と、シブリーが在籍していたアルビン・エイリー・アメリカン・ダンス・ファウンデーションのエイリー・エクステンションも声明を発表した。GLAADは、シブリーの死が「暴力とハラスメントの深刻な増加」によるものであり、「これ以上続けてはならない」と強調した。一方、エイリー・エクステンションは、シブリーを「スタジオで信じられないほどのエネルギーを持ち、インストラクターやクラスメートから愛されていた、大切で熱心的な学生」と偲んだ。

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