バンダービーンさん(青雲3年) かごしま総文・弁論で最優秀賞 核廃絶訴え、長崎県勢24年ぶり

弁論部門で最優秀賞に輝いたバンダービーンさん=鹿児島市、サンエールかごしま

 鹿児島県で開催中の第47回全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)6日目の3日、弁論部門で、「Imagine」と題して核兵器廃絶への思いを訴えた青雲高3年のバンダービーン新愛(にいな)さん(17)が最優秀賞の文部科学大臣賞・文部科学大臣旗に輝いた。長崎県勢の最優秀賞は24年ぶり。
 バンダービーンさんは長崎で被爆した祖父母から「地獄と化した街」の様子を聞いて育ち、「長崎を最後の被爆地に」との2人の願いを発信するため「高校生1万人署名活動」に参加するなどしてきた。
 弁論ではこれまでの活動を振り返りながら、核兵器禁止条約に後ろ向きな日本政府を批判。昨年6月の同条約第1回締約国会議に参加しなかった政府に「唯一の被爆国として参加を呼びかけることが本当に無意味ですか」と問いかけ、「少しずつでも変える努力をするべきだ」と力を込めた。最後にジョン・レノンの代表曲「Imagine」の歌詞を紹介し、核のない世界に向け「世界が一つになるといいな」と呼びかけた。
 表彰式の後、バンダービーンさんは「応援してくれた祖母と、今は天国の祖父に一番に報告し、感謝を伝えたい」と受賞の喜びを語った。

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