ビーガン、ハラル 多様な食文化にどう対応 外国人向けメニュー学ぶ 長崎の飲食業者

ハラルとベジタリアンに対応した長崎ちゃんぽんについて説明する守護氏=長崎市、出島メッセ長崎

 「外国人観光客に選ばれるメニュー作り」と銘打ったセミナーが2日、長崎市尾上町の出島メッセ長崎であり、市内の飲食関連事業者の45人がビーガン(完全菜食主義者)やイスラム教の戒律に従った「ハラル」などへの対応を学んだ。
 インバウンド(訪日客)需要の回復をさらに加速させようと長崎国際コンベンション協会(DMOナガサキ)が主催。食のコンサルティング事業などを手がけるフードダイバーシティ(東京)の守護彰浩代表が講師を務めた。
 守護氏は、肉や魚を避ける「ベジタリアン」やハラルなどについて「それぞれの違いよりも共通点を見るべきだ」と強調。例としてペペロンチーノのベーコンをキノコに代えれば、一般客も含めてさまざまな食文化に対応できると解説した。肉や魚、卵などを使わない既存メニューに「ビーガン対応」と表記するだけで選んでもらいやすくなると勧めた。
 ビーガンとハラルに対応した長崎ちゃんぽんスープやカレールーの試食会もあり、参加者は豚肉などの動物性食品が使用されていないことに驚いた様子だった。
 参加した長崎原爆資料館などの指定管理者、長崎平和施設管理グループの堀部龍也施設長(59)は「館内の喫茶メニューも多様な食文化に対応し、表記を増やしていきたい」と話した。

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