広島カープは、勝負の夏場の連戦。8月最初のカード勝ち越しなるか? 3位・DeNAとの3戦目ゲームは、見応えある壮絶な投手戦となりました。
カープのスタメンは、いつもと違う内野陣で固められました。プロ初のスタメンファーストとなる 田中広輔 に加えて、二遊間は 羽月隆太郎 と 矢野雅哉 。そして、サードには 小園海斗、こちらは今季、サード初スタメンです。
先発は、床田寛樹 。去年のちょうどこの日、キャリア最多の9勝目をかけたマウンドで骨折しました。あれから1年―。3日は、自身初の2ケタ勝利を目指すマウンドでした。
その立ち上がり、落差30キロある緩急を駆使して三者凡退に抑えると、その後、ランナーを毎回、出すものの、徹底して先頭打者をしっかり打ち取り、無失点投球を続けます。
さらに、その床田の投球をバックも盛り立てます。6回、1アウトでDeNAの4番・牧。レフト線に飛んだ打球を小園がナイスキャッチ。さらに苦しい体勢からノーバウンド送球。今シーズン初のサードスタメンでしたが、華麗な身のこなしをみせます。
一方、打線は、マツダスタジアム初登板のDeNA・バウアーをなかなか攻略できません。3回以降、ランナーを1人も出すことができず、4イニング連続で三者凡退に抑えられます。
すると7回、床田はこの日初めて先頭バッターの出塁を許してしまいます。ピンチを招いた床田でしたが、DeNAもランナーを動かしてきます。サードへの打球、小園はセカンドへ送球し、そのままダブルプレーに。小園の好判断で、ピンチを脱します。
その後、8回のマウンドにも上がった床田。この日、3回目の三者凡退に抑え、白熱の投手戦を演出します。
9回、ノーアウトで勝ち越しのランナーを出してしまいますが、踏ん張った床田。ゲッツーに仕留め、ここも無失点。強力DeNA打線を5安打に抑え、スコアボードに9つのゼロを並べました。
そして、試合はそのまま延長戦へ―。サヨナラ勝利へ向けて、カープの鉄壁リリーフ陣が登場。10回は、リーグ3位・21セーブの守護神・矢崎拓也 が、3人で抑えます。
11回は、島内颯太郎 。わずか7球で、リーグ2位・26個目のホールドを記録。
そのウラ、カープは、2アウトから必殺のカードを切ります。代打打率・驚異の4割、37歳の 松山竜平 。期待に応えるセンター前ヒット。球場全体を沸かせると、代走に 大盛穂 を投入します。
そして、起用に応えるすばらしいスタート。今シーズン初めての盗塁を決め、サヨナラのランナーを得点圏に進めます。
小園敬遠で、2塁・1塁で、野間峻祥 。追い込まれながらも、さらにチャンスを広げ、満塁に。球場全体で勝利へのうねりを感じる中、打席には、秋山翔吾 。惜しくもセカンドゴロ、サヨナラとはなりません。
結局、12回も両チーム無得点。白熱の投手戦は、カープにとって、今シーズン2度目の引き分けに終わりました。
試合後、新井貴浩 監督は、「とこ(床田)もよく投げた。よく守って引き分けにした。残り試合が少なくなっていく中で、勝率を考えると、すごく価値がある引き分けだった」とコメントしています。