「戦争のない平和いつまでも」”原爆の日” を前に犠牲になった家族の墓参り 広島・寺町

あさって8月6日、広島は、被爆78年の「原爆の日」です。原爆の犠牲になった家族の墓に手を合わせる人たちに聞きました。

広島市中区寺町です。通りには寺や生花店が並んでいます。4日は、猛暑の中、原爆の日を前に多くの人が墓参りに訪れていました。

訪れた人たち
「毎年、みんなでお参りするようにするんですけど、(8月6日は)8時15分はお祈りする感じですよね。なかなか平和公園の方までは行けないですけど、うちの中ではその時間になると、みんなで平和を祈るくらいですかね」

原爆投下時には家族で広島を離れていたということし80歳の男性は、終戦直後の広島をこう振り返ります。

訪れた人
「終戦後、引き上げてきてから直後からはわたし、はっきり広島の街がもう全滅状態になっているような完全に脳裏に焼き付いている。早く人間同士のばかげた戦い、殺し合うのはなくなってほしい」

毎年8月6日前後に帰省するという女性は、被爆した祖父との思い出をこう振り返ります。

訪れた人
「夏休みの宿題で原爆の話を聞きましょうって小学校の宿題にあったんですけど、3か月で亡くなるって言われていて、けっこう長いこと生きたんですけど、1回も祖父からは原爆の話は聞かせてもらえませんでした。戦争がまだあるでしょ。自分たちの先祖が犠牲になって、亡くなって、もうやめようっていったあれは、なんだったのかなって。平和が来てくれたらいいなって、それはすごく思います」

寺町にある「フラワーショップやまや」の 八崎眞 さんは、15歳で被爆しました。戦後まもなく、姉が開いた生花店を5年前に再開して継いでいます。8月6日は、毎年、特別な思いで迎えるといいます。

フラワーショップやまや 八崎眞 さん
「6日は原爆で亡くなった人へ、とうろう買ったり、花を買ったり、その日はやっぱり繁盛するからね。おってあげんといけんわいね。花は仏さんへお参りすることじゃから、商売としては1番ええ商売じゃね、こりゃね。その日その日が平和で、戦争のない平和で幸せなことじゃのと。これがいつまでもいつまでも続いてくれと。そういうことよね」

あさっての広島は、祈りの日を迎えます。

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