新作「素戔嗚尊」闇夜に威容 五所川原立佞武多が開幕 青森県

中心街を練り歩いた新作の大型立佞武多(たちねぷた)「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」=4日午後8時38分、五所川原市大町

 市街地運行25周年を迎えた青森県五所川原市の五所川原立佞武多(たちねぷた)が4日、市中心街で開幕した。今年は約1.3キロの従来コースに戻り、4年ぶりの通常開催。「ヤッテマレ、ヤッテマレ」のかけ声の中、高さ23メートルの新作大型立佞武多「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」など14台のねぷたが勇壮に練り歩いた。

 午後6時半前、同市大町の旧ロータリー交差点では素戔嗚尊、昨年デビューした「暫(しばらく)」、2019年に完成した「かぐや」の大型立佞武多3台がそろう「お見合い」が4年ぶりに復活。同7時にねぷた運行が始まると、軽やかなはやしの音色と、威勢のいいかけ声が街中に響きわたった。

 素戔嗚尊を制作した市職員鶴谷昭法(あきのり)さん(41)は「素戔嗚尊にも反響があるようで良かった。参加者も見ている人も楽しめる祭りになればうれしい」と語った。

 主催者によると、同日の来場者は約7万1千人。大型3台は期間中全ての日に出陣し、中型立佞武多は多い日で5台、人形ねぷたは多い日で6台が出陣する。25周年記念企画として飲食ブース設置やステージイベントなども行う。祭りはコロナ禍の影響で20、21年と2年連続で中止。昨年は運行コース、時間ともに短縮して行われた。

 3日目を迎えた青森ねぶた祭は、大型ねぶた19台、大太鼓1台が合同運行。主催する実行委員会によると、前日の3日の人出は16万人で、昨年の同じ日に比べて1万人多かった。

 4日目を迎えた弘前ねぷたまつりは、27台のねぷたが弘前市中心街の土手町コースを練り歩いた。約16万人(まつり本部発表)が詰めかけ、勇壮な武者絵に歓声を上げた。5、6日はJR弘前駅周辺の「駅前コース」を運行する。

© 株式会社東奥日報社