港町熱気、酷暑に負けぬ 神輿、曳山練る 大野湊神社の夏季大祭

猛暑の中、街を練る神輿=金石本町

 市内最大の祭りの一つ、市無形民俗文化財「大野湊神社の夏季大祭」は4日、金石地区周辺で3日間の日程で始まり、神輿(みこし)、曳山(ひきやま)、太鼓台の行列が港町を練った。猛暑による熱中症が心配される中、神輿を台車に載せて運ぶことで担ぎ手の負担を減らし、男衆は暑さを感じさせない威勢のいい掛け声で地域に熱気を届けた。

  ●熱中症対策で神輿は台車に

 初日は大野湊神社(寺中町)で神事が営まれた後、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を宿した神輿2基が同神社を出発した。男衆約100人は「ヤットコセー、ヨーイヤナー」と木遣(きや)り唄を響かせながら練り歩き、台車に載った重さ約300キロの神輿とともに約2キロ先の仮殿(金石西2丁目)に向かった。

 仮殿では悪魔払いや子供奴(やっこ)、加賀獅子の奉納が行われた。5日は海上安全祈願祭が営まれ、最終日の6日に神輿を神社に戻す。

 コロナの感染防止のため、昨年まで設けていた担ぎ手の人数制限は撤廃した。ただ、猛暑に加え、天照大御神を宿した神輿の担ぎ手となる初老の人数が約30人とコロナ前の半分に減ったため、神輿を台車で運ぶことにした。

 同神社の河﨑智洋禰宜(40)は「祭りは地域の誇りだと思ってくれている人も多いので、ぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。

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