憧れ、失敗、葛藤―。会社辞め15カ国の旅「心の変遷」を表現 別府市で6日まで写真展【大分県】

写真展を開催する三浦千佳さん(右)と小野康記さん=7月、福岡市

 【別府】1年間かけて海外15カ国を旅した三浦千佳さん(30)=杵築市出身=と小野康記(こうき)さん(30)=岡山県総社市出身=は5、6の両日、別府市千代町のスペース別府で写真展を開く。会社を辞めバックパックを背負って日本を飛び出した2人。「旅行中、物理的にも心理的にも進んだり、止まったりを繰り返した。心の揺れ動きを展示全体で感じてもらえたら」と話している。

 小野さんが撮影した約50枚が並ぶ。現地の暮らしの様子や、田舎の素朴な風景を切り取った。

 2人はカップル。元々はインバウンド(訪日客)などに向けた旅行会社の同僚だった。子どもの頃から世界一周を夢見ていた小野さんが提案し、昨年の5月からタイやスリランカ、オマーンなどアジアを中心とした国々を周遊した。

 旅に出た当初は有名な観光地を回ったが次第に刺激がなくなり、行き詰まりを感じるようになった。「旅をする理由とは」。模索の日々が続いた。

 徒歩旅やヒッチハイクをしたり、砂漠でテントを張って野営したりするなど「より冒険らしいスタイル」(小野さん)に徐々に転換。現地の人の温かさやリアルな暮らしぶりに触れる機会が増え、視野が広がっていくのを感じた。

 旅の初めから映像や写真で記録し、ユーチューブ、交流サイト(SNS)に投稿。「旅先でのありのままの日常を届けることを心がけた」

 憧れ、失敗、葛藤―。写真展では長旅の中で生じた「心の変遷」が来場者に伝わる構成となるよう工夫したという。

 現在2人は「一時帰国」しリフレッシュ。三浦さんは「今後も旅を続け、国内でもゲストハウスを開業するなど自分たちの拠点をつくっていきたい」と将来像を描く。

 写真展は別府市の他に東京や大阪など全国4都市でも実施。2人は「初めての試みで不安だが、いつも視聴してくれている方と実際に会えるのが楽しみ」と開催を待ちわびている。

 午前11時~午後5時。入場無料。両日とも2人が在廊する。

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