「最後の被爆漫画家」 西山さん追悼展 長崎原爆被災者協議会で8月8日から

西山進さん

 長崎で被爆し「最後の被爆漫画家」と呼ばれた故西山進さん(昨年10月6日、94歳で死去)の追悼展が8日、長崎市岡町の長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)2階で始まる。被爆者の戦後を描いた4こま漫画「おり鶴さん」の未公開原画などを通し、反戦反核を訴えた西山さんの生涯を伝える。10日まで。
 長崎被災協主催、西山さんの作品を保存する有志が協力。西山さんは大分県出身。少年工だった17歳の時、三菱重工業長崎造船所長崎工場(爆心地から約3.5キロ)で被爆。翌日、救援隊として爆心地近くに入り、黒焦げになり息絶えた人たちを目にした。
 30代から漫画家として本格的に始動。自身の体験に基づく被爆の実相を漫画や紙芝居で表現した。1979年11月から日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の機関紙で「おり鶴さん」の連載を開始。漫画付きルポを含め、40年以上、計500点を掲載した。
 追悼展では、被爆者の日常を柔らかなタッチで描いた作品をはじめ、ユーモアと風刺を交えて世相を映し出した作品約50点を展示。西山さんが原爆の惨状を描いた油絵も披露する。
 展示は▽8日午後1~4時▽9日午前9時~午後4時▽10日午前9時~午後2時。長崎被災協(電095.844.0958)。

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