長崎・橘湾で有害赤潮発生 マダイなど数万尾の被害見込み 最大限の警戒呼びかけ

赤潮の被害に遭った養殖魚=橘湾(西元部会長提供)

 橘湾の広い範囲で、赤潮が発生している。長崎市たちばな漁協養殖部会の西元崇博部会長(37)は「4日時点で橘湾全体のマダイやトラフグ、シマアジなど数万尾くらい被害が出ているのではないか」と見込む。
 県によると、7月31日に橘湾で有害赤潮プランクトン「カレニアミキモトイ」の大量発生を把握した。海水1ミリリットル中500細胞を超えると警戒レベルだが、同日に最大3470細胞を確認。まだ被害状況は判明していないが、県の担当者は「現場からは魚が死んでいると聞いている。最大限の警戒を」と呼びかける。
 橘湾の養殖業者は対策に追われている。魚が水面近くに来ると危険なため、餌を与えず、プランクトンを沈降する作用がある粘土を散布。西元部会長は「赤潮は例年あるが、感覚的にいつもよりひどい」と危機感を募らせる。
 橘湾では2015年に有害なプランクトン「シャットネラ」により、ブリ、ハマチ、ヒラスなどの被害総額が約7千万円に上った。

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