次世代担う「ヤッテマレ」 五所川原立佞武多(青森県) 親子参加企画に400人

「親子de立佞武多」に参加し、「ヤッテマレ、ヤッテマレ」のかけ声とともに街を練り歩く子どもたち=4日午後7時半ごろ、五所川原市

 青森県五所川原市の「五所川原立佞武多(たちねぷた)」が4日始まり、街は祭りを待ち望んでいた人々の熱気に包まれた。中でも注目を集めたのが、五所川原青年会議所などが企画した「親子de立佞武多」に参加した子どもたち。はやし方として見事に練習の成果を披露し、祭りを盛り上げた。今年は市街地運行開始から25年の節目。次代を担う子どもたちの元気な姿に沿道から温かい声援が送られた。

 親子de立佞武多は同青年会議所や五所川原商工会議所青年部が、担い手の育成や、祭りに参加したい一般の親子の「受け皿」をつくろうと企画。5月以降、市内で練習会を催し、立佞武多はやし方「礎(いしずえ)會」が指導を行ってきた。

 祭り初日の4日は約400人の親子が参加。はやし方と立佞武多を先導する「引き手」に別れ、昨年デビューした高さ11メートルの中型立佞武多「金太郎」とともに練り歩いた。

 笛や太鼓を演奏しながら、懸命に「ヤッテマレ、ヤッテマレ」の声を上げる子どもたちの姿に、沿道の人々も盛んな拍手。約1時間の運行を終えた五所川原南小学校5年の平山理久君は「練習より緊張したけど、太鼓を上手にたたけた。楽しかった」と目を輝かせた。

 親子de立佞武多は6日と8日の運行にも登場する。

 同青年会議所の對馬幸征理事長は「子どもたちのすがすがしい笑顔が見られてうれしい。この経験を通して立佞武多の伝統を継承していってほしい」と満足げに語った。

 4日の同市の最高気温は今年最も高い35.8度。約1.3キロの運行コースで行われる従来の祭りの光景も4年ぶりに戻り、沿道はかつての熱気を取り戻した。仙台市から訪れたという松本かおりさん(51)は「初めて見たが、高さと造形美、色彩の緻密さ、全てに感動した」と感激した様子で語った。

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