表現力全開、ドローイングバトル 遠藤彰子さん、芸工大生

「最上川」をテーマに作品を手がける遠藤彰子さんのチーム=山形市・山形美術館

 武蔵野美術大名誉教授で二紀会を中心に活動する洋画家遠藤彰子さん(75)=相模原市=と東北芸術工科大生によるドローイングバトルが5日、山形市の山形美術館で開かれた。それぞれがイメージする「最上川」を表現した。来館者は次第に浮かび上がる白と黒の世界に引き込まれていた。

 同館で開催中の「遠藤彰子展 巨大画で挑む生命の叙事詩」の関連イベントとして企画した。同大美術科洋画コースの1~4年生12人が参加。2チーム作り、遠藤さんと青山ひろゆき同大教授、大学院生のチームに挑んだ。新聞印刷の際に廃棄されてしまうロール紙を活用し木炭で描いた。

 お題が「最上川」と発表されると、遠藤さんをはじめ県外出身の学生らがどよめいた。制限時間は1時間半。四苦八苦しながらイメージを膨らませ、遠藤さんチームは縦2.6メートル、横5メートル、学生チームは縦約1.6メートル、横5メートルの紙に向かった。遠藤さんは川を竜に見立てて中央に配置。脚立を使い分け、山や紅花、川を見る人々を描いた。ロール紙は山形新聞が提供した。

 学生たちは、山や川に加え、こけしや鳥など山形ゆかりのモチーフを入れ込んだ。同大1年吉田沙希さん(18)は「すべての絵に共通して竜が描かれており、川には神聖なイメージがあると感じた」と話した。作品は20日まで展示する。

 同展は山形新聞、山形放送の8大事業。遠藤さんの油彩画や彫刻など約80点を紹介している。関連イベントとして、きょう6日午後1時半から遠藤さんが事前に募った希望者の作品を講評する「彰子の部屋」を行う。展示は27日まで。

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