「朝鮮通信使」復元船、「対馬厳原港まつり」に合わせ初めて来航 日韓交流の一端に触れる

復元船上で披露された韓国の伝統的な舞踊=対馬市厳原町

 かつて朝鮮王朝の外交使節「朝鮮通信使」が日本に渡航した史実に基づき復元された木造船が5日、長崎県対馬市の厳原港で一般公開され、市民らが日韓交流の一端に触れた。
 韓国の国立海洋文化財研究所が文献などを基に、金剛松と呼ばれる木材を多用し建造。全長約34.5メートル、重さ約149トン。同港一帯で5日始まった「対馬厳原港まつり」に合わせ日本に初めて来航した。
 船内でガイドが通信使の歴史や船の概要などを解説。参加者50人は色鮮やかに塗られた船体を観覧したほか、伝統衣装を身にまとった韓国の楽団員らの演奏や舞踊を楽しんだ。
 家族で見学した同市の田中耕史さん(29)は「長旅でも過ごしやすそう。日本とは違う文化に触れて楽しかった。いい交流の機会なのでまた来てほしい」と話した。
 同まつりは6日午後、日韓両市民により朝鮮通信使行列を再現。復元船の前から出発する。

© 株式会社長崎新聞社