長崎の平和祈念式典 過去最多88カ国が参列へ ウクライナ侵攻などで関心増

 長崎県長崎市は1日、9日の「長崎原爆の日」に同市松山町の平和公園で開く平和祈念式典に、88カ国と欧州連合(EU)の代表が参列予定(7月29日時点)と発表した。予定通り参加すれば過去最多。理由として市は、ウクライナ侵攻による平和への関心の高まりに加え「G7広島サミットによって広島、長崎という平和のスポットに焦点が当たっている状況もある」としている。
 これまでの最多参列数は昨年の83カ国。市はウクライナ侵攻を続けるロシアと、支援するベラルーシを除く154カ国の駐日大使らを招請している。ウクライナは出席する予定。アルバニアが初めて参加。核保有国はイスラエル、インド、英国、中国、フランスが出席予定で、パキスタンは欠席する。米国は調整中。
 国連からは、中満泉・事務次長兼軍縮担当上級代表がグテレス事務総長の代理出席で調整している。
 参列者は昨年より700人多い2400人規模。一般参列は事前申し込みの結果、754席設置する。熱中症対策としてミストシャワーを設置し、参列者に飲料水や塩分補給タブレットを配布する。
 式典は午前10時45分から60分間。屋内会場は出島メッセ長崎(尾上町)に2700席程度、長崎原爆資料館ホール(平野町)に350席程度をそれぞれ設ける。
 安倍晋三元首相の銃撃事件や岸田文雄首相への襲撃事件を受け、金属探知ゲートの増設など警備を強化する。

© 株式会社長崎新聞社