トヨタ自動車は４日、広州汽車集団との合弁である広汽豊田汽車（広汽トヨタ）、自動運転技術の開発を手がける小馬智行（ポニー・エーアイ）の３社で、「ロボタクシー」と呼ばれる無人運転の配車サービスを手がける合弁会社を設立すると発表した。中国でのロボタクシーの商業化に向けて弾みをつける。
合弁会社は年内をめどに設立する。総投資額は約10億元（約199億円）。出資比率はトヨタの中国法人、豊田汽車（中国）投資と広汽トヨタが合わせて50％、ポニーが50％となる。
トヨタブランドの電気自動車（ＥＶ）をベースにしたロボタクシー向けの車両を広汽トヨタが生産し、ポニーが手がける一定条件下での走行を完全自動化する「レベル４」の自動運転システムを搭載する。歩行者や自動車を検知してブレーキをアシストするトヨタの衝突回避支援システムを導入し、自動運転車の安全な運行を支える。
トヨタとポニーは2019年８月に自動運転分野での連携を発表し、ポニーの自動運転システムを搭載した高級車ブランド「レクサス」を使って中国の公道で走行実験を行うなど関係を強化してきた。今年４月からはトヨタのミニバン「シエナ」にポニーのレベル４に対応する自動運転システムを搭載し、北京市や広東省広州市で路上走行試験を始めている。
トヨタの上田達郎・中国本部長は、中国の自動車市場は前例のないスピードで発展しており、電動化とスマート化が「新エネルギー車（ＮＥＶ）」産業の発展方向になっていると指摘し、「合弁会社が手がけるロボタクシーの営業が一日も早く始まることを期待している」と述べた。
