伝統悪魔払い勇壮に 金沢・大野湊神社の夏季大祭

悪魔払いを披露する出演者=金沢市寺中町

  ●神輿練り活気戻る 獅子舞も締めくくりに花

 金沢市内最大の祭りの一つ、市無形民俗文化財「大野湊神社の夏季大祭」は6日、最終日を迎え、3日間にわたって金石地区内を巡った神輿(みこし)の行列が同神社へ戻った。境内や神社周辺で行われた悪魔払いや獅子舞も締めくくりに花を添え、参加者は「ようやくコロナ前のにぎわいが帰ってきた」と最後まで活気にあふれた祭りを振り返った。

 最終日は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)や猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を宿した神輿の還幸行列が仮殿(金石西2丁目)を出発。白装束の男衆が列をなし、「ヤットコセー、ヨーイヤラー」と木遣(きや)り唄を街中に響かせて練り歩いた。

 行列には17町の曳山、約20基の太鼓台が加わったほか、道中では金石通町獅子連が加賀獅子舞を披露するなどし、沿道に集まった大勢の住民を沸かせた。

 神社の境内では、金石町壮年会、金石町青年団が民俗芸能である悪魔払いを披露した。天狗や鬼の面を付けた出演者がまさかりや刀、弓矢を手に力強く舞い、来場者から大きな拍手が送られた。

 青年団の松下大雅団長(26)は「みんな楽しそうに踊ってくれた。コロナ前の活気が戻った気がしてうれしい」と達成感をにじませた。

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