世界ジオ祝う大輪 北國花火白山鳥越大会

白山麓の夜空を彩った北國花火白山鳥越大会=6日午後8時15分、白山市出合町(多重露光)

  ●4年ぶり一向一揆まつり

 鳥越一向一揆まつり(北國新聞社後援)が6日、白山市出合町の道の駅「一向一揆の里」周辺で4年ぶりに開催された。本紙連載「百姓ノ持(もち)タル国の百年」の舞台の一つでもあり、1万本のろうそくを飾る「鳥越万灯華(まんとうか)」の幻想的な光景に来場者は一向一揆の歴史に思いをはせた。白山手取川のユネスコ世界ジオパーク認定を記念した北國花火白山鳥越大会(北國新聞社主催)では大輪がまつりの復活も祝福。住民や観光客ら約5千人が光と音の共演を楽しんだ。

 一向一揆まつりは、旧鳥越村時代の1988(昭和63)年に始まり、今年が36回目。

 鳥越城に散った先人をしのぶ追悼式では、まつり実行委員会の三浦宰委員長と田村敏和市長があいさつした。北川会鳥越支部が民舞「鳥越城哀歌」を披露、城山太鼓保存会が「決戦の太鼓」、鳥越中2年生が「桶(おけ)太鼓」を演奏した。

 会場からは一向一揆最後の砦(とりで)となった鳥越城跡と二曲(ふとげ)城跡を望むことができ、参列者は織田信長勢と戦った祖先らの冥福を祈った。

  ●ろうそく1万本、先人弔う万灯華

 1万本のろうそくで演出された「であいふれあい公園」には、鳥越中の生徒やとりごえ保育園の園児らが作った灯籠も並び、白山手取川ジオパークイメージキャラクター「ゆきママとしずくちゃん」をかたどって配置されたろうそくもあった。来場者は鳥越中生徒の太鼓行列の先導で、自然石を活用した水辺など、風に揺れる明かりがともされた園内を回った。

 北國花火では、10号玉の大きな光の輪が白山麓の夜空に広がると、観衆から歓声が上がり、拍手が起きた。HIPPY(ヒッピー)さんの人気曲「君に捧(ささ)げる応援歌」に合わせ多彩な花火を打ち上げる「ミュージック花火」も会場を盛り上げた。

1万本のろうそくがともされた幻想的な光景を楽しむ来場者=白山市であいふれあい公園

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