ウクライナ国連大使ら 「悲劇を再び起こしてはならない」 長崎の催しに平和メッセージ

ウクライナ、日本の国連大使から届いた平和メッセージ伝達式で記念撮影に納まる伊藤氏(左)、ギントフ氏(右)ら=長崎市平野町、長崎原爆資料館ホール

 広島原爆の日の6日、長崎市の長崎原爆資料館で「国連とウクライナ政府から直接学ぶSDGs、そして平和」と題したイベントがあり、ウクライナのセルゲイ・キスリツァ国連大使と日本の石兼公博国連大使から長崎市民に向けた平和メッセージが読み上げられた。
 県民が平和を願ってベートーベンの「交響曲第九番」(第九)を歌うイベントの関連行事。7日が本番で、6日は合唱練習に先立ち、メッセージの伝達セレモニーがあった。イベントを企画する、青雲高卒で米ニューヨーク在住の指揮者伊藤玲阿奈氏(44)が両大使にメッセージを要望していた。
 キスリツァ国連大使は「長崎の皆さまは8月9日に人類最大の悲劇の一つを経験された。決して再び起こってはならない」としたほか、ロシアによるウクライナ侵攻の即時停止と平和の再構築を望む声を上げるよう呼びかけた。石兼国連大使は「紛争、人道危機、パンデミック、気候変動、SDGs、核の脅威。争っている余裕はない」などと記した。
 伊藤氏は「2025年の戦後80年、国連創設80年の節目にニューヨークで祝賀イベントを計画している。日本は島国で、日頃外国の方々と接する機会が少ない。世界の視点に触れて、平和を捉え直してほしい」とあいさつ。7日のイベントに出演するウクライナ出身のピアニスト、パヴェル・ギントフ氏は母国の戦争犠牲者にささげる曲を演奏。伊藤、ギントフの両氏は両大使のメッセージを、高校生平和大使の代表2人に手渡した。

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