たくさん描くのがこつ、遠藤さんが直接助言 山形美術館・巨大画展

持ち込まれた作品を見て、作者の質問に答え、アドバイスする遠藤彰子さん(中央)=山形市・山形美術館

 洋画家遠藤彰子さん(75)=相模原市=が希望者の作品を講評する「なんでも芸術相談 彰子の部屋」が6日、山形市の山形美術館で行われた。事前に申し込んだ県内外の中学3年生~50代が自身の作品を紹介し、遠藤さんに直接、質問や相談を投げかけた。遠藤さんはそれぞれの作品の魅力を示し、優しくアドバイスした。

 同館で開催中の「遠藤彰子展 巨大画で挑む生命の叙事詩」の関連イベントとして企画。大学生や美術教諭、グラフィックデザイナーなど10人がデッサンや油絵などを持ち込み、講評の様子は一般公開された。

 遠藤さんは一つ一つの作品と対峙(たいじ)し、よく描けている部分や課題などを説明した。「たくさん描くのがうまくなるこつ。何枚も描いていると、描きたいものや自分の形が出てくる。自分を知り、自分に合う絵を見つけてほしい」と話した。

 デッサンを公開した山形市漆山、惺山高2年村形輝空(きら)さん(17)は「どう光の方向を描いたらいいか迷っていたが、分かりやすく教えてもらった。東北芸術工科大生の絵も見られ、刺激になった」と話した。

 今後の関連イベントは次の通り。▽8日午前10時~午後1時=会話をしながら作品を楽しめる「かたらい鑑賞Day」▽10、17、24の各日午前11時=同館学芸員のイチ推しトーク

 同展は山形新聞、山形放送の8大事業。遠藤さんは武蔵野美術大名誉教授で二紀会を中心に活動し、横7メートルを超える大作などで知られる。同展では油彩画や彫刻など約80点を展示。27日まで。

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