剣道男子個人 戸田(長崎南山)有終の銅 北海道インターハイ

【剣道男子個人準決勝】長崎南山の戸田が小手を狙う=帯広市、よつ葉アリーナ十勝

 全国高校総合体育大会(インターハイ=翔び立て若き翼 北海道総体2023)第16日は6日、各地で10競技が行われ、長崎県勢は剣道男子個人で戸田優人(長崎南山)が銅メダルを獲得した。剣道女子団体の島原、フェンシング男子団体の長崎工はいずれも準決勝進出こそ逃したが、8強入りを果たした。
 スプリント200メートル決勝に臨んだカヌー勢は、男女計4艇が入賞。陸上男子1600メートルリレーの長崎南は準決勝で3分11秒24を出して長崎県記録を更新すると、決勝は3分11秒95で6位に入った。相撲団体の諫早農は決勝トーナメント1回戦で近大付(大阪)に敗れた。
 第17日は7日、各地で5競技を実施する。

◎剣道男子個人 仲間の思い背負い快進撃

 全国屈指の成績を残し続けたチームの主将が、最後は個人戦で結果を出した。剣道男子個人で戸田(長崎南山)が銅メダルを獲得。黒髪小6年時の全国8強が個人の最高成績だっただけに、準決勝で敗れても「すごく楽しかった」と晴れやかな笑顔を浮かべた。
 準々決勝は遠い間合いから、得意の飛び込み面で鮮やかに1本勝ち。準決勝は上背のある相手に胴や小手など下から果敢に攻めて接戦を演じた。繰り出した小手よりも相手の面がわずかに早く決まって惜しくも敗れた。
 今季は団体で3月の全国選抜大会と7月の玉竜旗でいずれも準優勝。全国トップレベルの力を持ちながら、6月の県高総体は島原に敗れてインターハイ切符を逃した。
 コロナ禍で全国中学大会が中止になった世代。当時も長崎南山中で主将を務めていた。やり場のない悔しさを分かち合った仲間と同じ高校に進み、絆を強めて互いに高め合ってきた。大舞台に立てなかった仲間の思いも背負った最後の夏。メダルをつかみ、実績にたがわぬ実力を全国に証明してみせた。
 白石監督は「人間的にしっかりしていて、誰よりも練習した選手」と一目置く努力家の健闘を「このチームの締めくくりとしていい終わり方ができたのではないか」とたたえる。リーダーの役目を終えた17歳は「ほっとしているのが一番。仲間に支えられた」と充実の3年間を振り返った。

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