夏バテ予防に食べたほうがよい食材4つ&火を使わずすぐできる「カンタン薬膳レシピ」2選

「部屋の中と外の温度差が激しすぎて、なんだか疲れる……」

「日中外にいたから、今日は食欲がないな……」

このようなことで悩んでいる場合、夏バテかもしれません。

夏の平均気温は毎年上昇傾向にあり、今年も酷暑が予想されています。

今回は、夏バテの原因と、食事と漢方薬での改善方法について、薬剤師兼薬膳アドバイザーの山形ゆかりさんに教えていただきました。

夏バテの主な原因は「自律神経の乱れ」

人間のからだには、体温を一定に保とうとする働きがあります。暑い季節になると、私たちのからだは体温調節をするために汗をかきます。この汗が蒸発することで体温が下がるのです。

室内と室外の温度差が激しい場合、体温調節を何度も行わなければならないので、自律神経が対応しきれなくなることがあります。

自律神経とは、私たちのからだを自動的に制御する神経のことです。この自律神経が乱れると、食欲不振や消化機能の低下、睡眠不足などの不調があらわれます。夏バテは、この自律神経の乱れが原因で起こるといわれているのです。

また、暑い環境では、からだを冷やそうとして血液を皮膚に集めます。その結果、内臓の血流が減少し、消化機能が低下します。さらに、暑さによって睡眠の質が悪くなり、疲れがたまることも考えられるでしょう。

夏バテ予防に摂りたい食材

夏バテによる疲れ、食欲不振、消化機能の低下などの不調に働きかける食材を4つご紹介します。

1.ウナギ

ウナギは気力・体力増強の働きがあり、疲れている、だるい、やる気が起きない気分のときにおすすめです。血行促進、疲労回復にも役立ちます。

ただし、脂がのっているため、消化に時間がかかり、胃腸に負担をかける可能性があります。食べるときは、山椒などの消化を助ける薬味を一緒に摂りましょう。

2.なす

なすはからだの余分な熱を冷ます作用があり、夏バテ対策にぴったりの食材です。食欲不振や胃もたれを改善し、むくみの解消にも役立ちます。

ただし、食べ過ぎることでおなかを冷やす心配があるため、しょうがやねぎなどのからだを温める薬味を加えるといいでしょう。

3.トマト

トマトは体内の水分を作る手助けをしてくれます。とくに夏場は、のどの渇きを潤すのにピッタリの野菜です。また、消化不良や食欲不振の改善にも役立ちます。

さらに、トマトの抗酸化作用は、がんや動脈硬化といった病気の予防にも役立つことが知られています。

4.ゴーヤー

ゴーヤーはからだの熱を冷まし、熱中症や目の充血、喉の渇き、腫れ物の改善に役立ちます。また、ゴーヤーには血糖値やコレステロール値を下げる効果もあります。

栄養満点! 夏を乗り切る薬膳レシピ

先ほど紹介した食材を中心に、暑い夏を乗り切るレシピを2つご紹介します。どちらもスーパーで簡単に買える食材で作れ、火を使わないレシピです。

1.ウナギ入り! トマトとなすの冷やし中華

スーパーでウナギの蒲焼きが安売りしているときに、試してみましょう。めんつゆは濃度に合わせて水で割り、分量を調整してください。

材料(4人分)

冷やし中華麺:4人分
なす:2本
トマト:2個
きゅうり:1本
ウナギの蒲焼き:200g程度
酢:大さじ2
めんつゆ(ストレート):大さじ4
塩:少々
鰹節:適量
山椒:お好みで

作り方

1. なすは食べやすい大きさになるよう縦に薄く切り耐熱容器に並べる。ふんわりとラップをかけ、500Wの電子レンジで約3分程度柔らかくなるまで加熱する。

2. きゅうりは千切り、トマトは食べやすい大きさにスライスする。

3. ボウルにめんつゆと酢、塩を入れてよく混ぜる。

4. 冷やし中華麺をゆで、冷水で洗って水気を切り、3と和える。

5. 器に4を4等分にして入れ、1と2を盛り付ける。

6. ウナギを食べやすい大きさに切り、ふんわりとラップをかけ、500Wの電子レンジで約2分加熱し、粗熱をとる。

7. 5に6を乗せ、お好みで鰹節と山椒をかけてできあがり。

2.ゴーヤーのシャキシャキ梅サラダ

梅干しの酸味で食欲増進、胃腸の働きを助けるはちみつを加えた簡単夏バテ防止サラダです。ゴーヤーの苦みは、切った後、水に5〜10分さらすと軽減されます。

材料(作りやすい分量)

ゴーヤー:1本
梅干し:3個
はちみつ:大さじ1
ごま油:小さじ1
しょうゆ:小さじ1/2
白ごま:適量

作り方

1. ゴーヤーは縦に半分に切り、種とワタをとり除いて薄切りし、500Wの電子レンジで約3分加熱して粗熱をとる。

2. ボウルに1を入れ、種をとった梅干しを細かく刻んで加え、よく和える。

3. はちみつ、ごま油、しょうゆをよく混ぜ、2と合わせる。

4. 器に盛り付け、白ごまを振りかけてできあがり。

夏バテ対策には漢方もおすすめ

夏バテには漢方薬の服用もおすすめです。

漢方薬は、疲れや食欲不振、消化機能の低下などの症状を改善するだけでなく、自律神経の乱れも整えることで、夏バテの根本的な原因にアプローチします。

夏バテ対策には、

・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心とからだを元気にする
・体内の水分バランスを整える
・胃腸の機能を回復させて食欲をとり戻す
・血流をよくして自律神経の乱れを整える

などの作用をもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。

夏バテ対策におすすめの漢方薬

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

夏バテや熱中症対策の代表的な漢方薬です。暑さで弱った胃腸を元気にし、からだの熱を冷まし、水分代謝を改善することで、暑気あたりや暑さによる食欲不振・下痢などに効果を発揮してくれます。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

普段から消化機能が弱く、虚弱体質の方の夏バテ対策におすすめです。エネルギーを補って体力を補強し、血行促進、胃腸を整える作用があり、からだ本来の力を高める働きも期待できます。

漢方薬を選ぶ際には、自分の症状や体質に合ったものでないと、効果を充分に感じられないことがあります。また、夏バテのような季節要因による症状の場合、その都度自分に合った漢方薬を選ぶことになります。

「あんしん漢方」のような、オンライン漢方サービスでは、漢方薬に精通した医師や薬剤師がAIを駆使してあなたに合った漢方薬を提案してくれます。

スマホひとつで完結し、お手軽価格で漢方薬を自宅に届けてくれるため、季節で変わる体調の相談にもおすすめです。

夏バテの主な原因は、気温の急激な変化や暑さによってからだの調節機能が乱れることです。夏バテの症状に悩んでいる場合は、今回紹介した食事と漢方薬を試してみてください。

疲れや不調を軽減し、快適な夏を過ごしましょう。

<この記事を書いた人>

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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