欧州では無名選手だった…。今季爆発中のMFチアゴ・アウベスがモンテディオ山形をJ1昇格の先導者になるか!?

Jリーグも8月に入り、J2も残り13試合となった。J2モンテディオ山形は現在勝ち点41で9位と、J1昇格プレーオフ(PO)圏内の6位ヴァンフォーレ甲府と勝ち点5ポイント差と猛追している状況だ。

第3節から第10節の地獄の8連敗を乗り越えて、着々と勝ち星を重ねて昇格PO圏内が見えてきた。

その中でもポルトガル人MFチアゴ・アウベスが第16節からリーグ戦6試合連続得点を決めるなど、低迷したチームのカンフル剤となった。

結果を積み重ねる山形のリーサルウェポンの実力に迫る。

ポルトガルでは無名の存在

1996年6月19日にポルトガル・コインブラで生まれたアウベスは、ポルトガルでは無名の存在だったという。

2006年からポルトガルの名門であるスポルティングCPの下部組織で5年間所属するも、傑出した活躍は見せられなかった。

スポルティングを去ってから地元の名門アカデミカ・コインブラのアカデミーへ入団するも、ここでは2年しか所属できなかった。

その後下部組織を転々としながら当時国内2部のヴァルジンに入団するも、2016-17シーズンはリーグ戦14試合2得点とパッとしない成績に終わった。

翌シーズンは当時3部のサルゲイロスに入団するもここでも不発に。

サルゲイロスで1シーズン過ごした後は、プレーの場をポーランドへ移した。

ポーランドでは3部から這い上がる

2018-19シーズンから当時ポーランド3部相当のグルジョンツへ国外移籍した。ポーランドデビューシーズンでは12試合3得点、翌シーズンは2部相当でリーグ戦6試合3得点とコンスタントに活躍した。

才能が認められる形で同シーズン中に2018-19シーズンのリーグ王者であるポーランド1部ピアスト・グリヴィツェへ完全移籍を果たした。

2020-21シーズンはリーグ戦21試合5ゴール2アシストと一定の成績を残したが、競争の激しい強豪で頭角を現すまでには至らなかった。

アマチュアカテゴリーからリーグ王者に這い上がるほどのシンデレラストーリーを歩んだが、ポーランドで大きな注目を集めることはできなかった。

山形で覚醒!J2屈指のサイドアタッカーに

転機は欧州を離れてからだった。2022年に山形へ入団したアウベスは、第9節ブラウブリッツ秋田戦でのゴールを皮切りに34試合10得点2アシストと覚醒し、チームをJ1昇格PO圏内の6位へと導いた。

POでも初戦のファジアーノ岡山戦で1ゴールを挙げる活躍を見せたが、次戦ロアッソ熊本戦では不発に終わり、J1復帰に届かなかった。

今季は背番号10を与えられ、左サイドから違いを作り出した。抜群の抜け出しのセンス、球威のあるミドルシュート、相手をはがすドリブル、敵の急所を突くパスに優れ、ゴールを多種多様なシュートパターンで挙げてきた。

今季はここまで20試合11ゴール3アシストとJ2では屈指の存在感を見せている。第16節からリーグ戦6試合連続得点後はネットを揺らせていないが、未だに相手が最も警戒する選手となった。

関係者によると、J1チームや国内外のクラブからも注視されているという。ポルトガル、ポーランドでは中々評価されることがなかっただけに、日本で成功をつかんだシンデレラボーイへの期待は大きい。

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9シーズンぶりのJ1復帰の鍵は山形の背番号10が握っている。

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