「地域枠」新たに5人分 山形大医学部、24年度選抜から

医師不足解消に向けた施策などについて意見を交わした県地域医療対策協議会=県庁

 県内の高校の卒業者を対象とする山形大医学部の「地域枠」が2024年度入学者選抜から5人分新設されることが7日、県地域医療対策協議会の本年度初会合で報告された。現行、8人分を設けている臨時定員の地域枠と合わせ、24年度以降は地域枠が各年度13人となる見通し。医学生の県内定着につなげ、医師不足解消を目指す。

 現行は臨時定員の位置付けで、一般枠105人とは別に8人分を設けている。24年度からは恒久定員105人のうち、一般枠100人、地域枠5人とする。大学側は臨時定員について、21~23年度と同様、24年度も8人分を設ける方針。

 地域枠の対象は、県内の高校の卒業者で、学校推薦型選抜で選ぶ。県内の医療機関に9年間勤務することで返済が免除される「県医師修学資金貸与制度」(年額200万円)の活用が、必須条件となる。

 24年度からは県の貸与制度などを活用した東北医科薬科大(仙台市)の卒業生も、協議会で決定する医師派遣の対象に加わる。24年度の配置対象医師数は23年度の85人から6人増え、91人となる。県は病院を設置する市町村などからの要望や対象医師の意向を確認した上で、派遣方針の検討を進める。

 オンラインで開かれた会議では、24年度から3年間を対象とする次期医師確保計画の方向性などについても協議した。県の担当者は、地域間で医師偏在などの実態があることを説明した。各病院長らは「県外の大学にも地域枠を設けてもらうような働きかけを検討してみてはどうか」「救急医療の対応実績を医師配置に反映させてほしい」などと述べた。

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