埼玉は大転換期 再選の大野知事、今後も不変的に使うツールとは 認めたくないが…投票率、都市部ほど低く

再選を決めた選挙戦から一夜明け、笑顔を見せる大野元裕知事=7日午後、県庁

 大野元裕知事は再選から一夜明けた7日、埼玉県庁で会見を行い、「1期目が始まったときは必ずしもワンチームと呼べなかった。2年連続で人口が減るという大きな転換期に踏み入れ、状況がより切迫したことに危機感と責任感の両方を感じている」と語った。

 2期目に向けて力を入れたい政策として、「未来の埼玉県に責任を負うための礎を築くことが次の4年間。災害、感染症への備え、経済の持続的な発展、街づくりからの高齢者・子ども支援、不断の行政改革」を要点に挙げた。

 課題解決のために、「未来を見据えたツールとして埼玉版スーパー・シティであったり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を使っていく感覚は不変。4年前は県庁の建て替えなんてベースが全くなかったが、ステージが上がったところにしっかり対応していく」と県政を前に進める覚悟をにじませた。

 選挙戦を振り返り、「議論を戦わせたかったのは正直ある。討論会の後に出馬を表明した方などについては、私の目から見て事実に誤りがあった。きちんと議論をしないと県民のためにならない」と述べた。

 過去最低を更新した投票率に対しては、「都市部になればなるほど低い傾向は事実。県民意識が希薄だという指摘はしばしばされ、そのトップを決める選挙の訴求力が他の都道府県よりも、認めたくないですけれど(弱いことが)あるのかもしれない。私も深谷の(渋沢栄一をモチーフにした)投票済証は欲しいと思ったが、それをもってなお関心が上がらない」と投票行動を分析した。

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