Gショック、何したら壊れる? 検査徹底、耐久力で人気

耐久性を確かめるのに用いる金属製のハンマー=6月、東京都羽村市

 金属製のハンマーでたたいたり、人工の汗に浸したり―。高い耐久力で人気を集めるカシオ計算機の腕時計「G―SHOCK(ジーショック)」の品質検査の一例だ。シリーズ累計出荷数は1億4千万個を超え、4月には発売40年に。その裏には、検査機器まで自社で開発するなどして「どうしたら壊れるか」を徹底して調べてきた歴史がある。

 カシオの評価規格は「防水」「耐衝撃性」など計195項目に及ぶ。1980年代後半からはデジタル化に伴って項目を大幅に増やしてきた。

 「バン」。東京都羽村市の「羽村技術センター」で、大がかりな機械がジーショックを2mほどの高さから床に投げつけた。ばねの反動を利用した「加速落下衝撃試験」という検査で、塗装のはがれや文字盤の破損などを調べる。

 一定の高さから時計をそっと落とす試験は一般的だが、ここまで強い衝撃は珍しい。以前はセンター3階から人が放り投げる検査だったが、精度を上げるために機械の導入を決めた。メーカー数社に製造を打診するが断られ、約10年前からは自社開発の機械を使っている。

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