反スパイ法で外国人「大変危険」 中国で服役経験の邦人男性が会見

中国河北省石家荘市内の公園に掲げられた「国家安全」を宣伝する横断幕=4月(共同)

 中国でスパイ罪の有罪判決を受け昨年帰国した日中青年交流協会の鈴木英司元理事長(66)は8日、中国が7月に施行した改正反スパイ法で摘発対象が広がったと指摘し、邦人を含む外国人にとっても「大変危険」な状況だと訴えた。東京都の日本記者クラブで記者会見した。

 鈴木氏は、中国でスパイの定義は曖昧で、法律の運用は「全てが当局のさじ加減で決まる」と強調。改正法がスパイ行為の通報を全ての国民に義務付けたことから、日系企業の駐在員らが「いつ告発されるか分からない」と懸念を示した。

 鈴木氏は在日中国大使館員から中朝関係を巡る情報を聞き、日本政府関係者に伝えたとしてスパイ罪に問われた。

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