“伝え方”を変えるだけで仕事やプライベートがうまくいく!「伝えるのが苦手な人」に知ってほしいポイント

  • 一生懸命説明したのに、「結局、何が言いたいの?」と言われた
  • 確かに伝えたはずなのに、「聞いてないよ」と言われた
  • 会議で意見を言っても、いつも反応がいまいち
  • 良かれと思って伝えたのに、何だか気まずい空気になった

そんな経験、ありませんか?

ビジネスにおいて「伝えたつもりで伝わっていない」というのは、とても危険です。大きなミスやトラブルにもつながりかねません。

「言った」「聞いていない」の争いで、関係が気まずくなる、仕事がやりずらくなることもあり得ます。

「あの人の話って、いつもよく分からないよなあ……」と思われたら、アイデアや意見を出しても採用されにくくなるでしょう。

伝え方に配慮が足りないため、相手を不快にさせてしまうこともあるようです。どうしたら意図した通りに伝えられるようになるのでしょうか?

今回は、1分トークコンサルタントの沖本るり子先生の最新刊『「結局、何が言いたいの?」と言われない 一生使える「1分で伝わる」技術 (大和出版)』から、仕事でもプライベートでも使える“伝わる技術”をご紹介します。

最初に何を話すのか「宣言」しよう

伝えるのが苦手な人は、「時系列で話す」「思いついた順に話す」「ダラダラ、長々と話す」ことをしがちです。

これだと、聞く方は結局何が言いたいのか分からず、イライラし、ストレスを感じます。聞き流される可能性も高くなります。

話す時には、『何が言いたいのか』を最初に一文で宣言しましょう。

(例)「私の提案は、今回の出展でキッズスペースを作ることです。昨年、『小さい子がいるので参加できない』と言われてたお父さんお母さんが数名いらっしゃいました。キッズスペースを作ることで、お子様連れの親御さんにもお声がけしやすくなります。」

提案なのか、報告なのか、相談なのか。最初に何を言いたいのか宣言することで、聞く方は心構えができるので、伝わりすさがグンとアップします。

「枠」を使って伝えよう

ビジネスの場ではとっさに話を振られることも多いもの。

会議中「○○さんはどんなアイデアある?」と言われたり、プレゼンテーションの後などに思いがけない質問をされることもあるかと思います。

そんなとっさに話さなくてはいけないシーンなどでうまく伝えるには、あらかじめ整理整頓された「枠」を使った伝え方を知っておくと、当てはめて使えるのでとても便利です。

「枠」を使った伝え方の一つ、『2、3個法』を本書よりご紹介します。

『2、3個法』を使った伝え方とは?

まず最初に何について伝えるのか告げた後、どれぐらいの量の話を聞けば良いか、あらかじめ宣言してから相手に伝えます。聞き手は、話の先が見えるので、安心して聞くことができます。

(例)「私が推薦する会場は、Aホテルです。1つ目は、立地。2つ目は、価格。3つ目は、伝統です。1つ目の立地は、最寄駅から徒歩1分、会社からも5分という近さです。2つ目の価格は、ちょうどキャンペーン期間中で、予算より2割安くできます。3つ目の伝統は、弊社のお客様の年齢層から考えて、伝統あるホテルを好まれる傾向にあります。以上、立地、価格、伝統という3つの理由で、私が推薦する会場はAホテルです。」

5個や10個もあると、なかなか最後まで聞けません。心理学的にも3つぐらいが聞ける限界と言われていますので、2~3個までにまとめて伝えることを意識してみてください。

よく使うけど実は不快に思われている「返答」とは?

私たちが普段使っている返答の中には、知らずに相手を不快にさせているものがあります。

相手を不快にさせている返答と、その言い換え例を本書より2つご紹介します。

上司や先輩からのアドバイスの後につい言いがちな「なるほど」

人の話を聞いている最中に多くの人が無意識で言っている「なるほど~」という言葉。

これは、実は上から目線の言葉。目上の人(上司や先輩)に言うと、不快に思われる可能性がとても高いのです。「なるほどですね」「なるほどです」なども同様です。

「なるほど」という返答は、次のように言い換えてみましょう。

(例)「おっしゃる通りですね。ありがとうございます。」

「ごもっともですね。」

これまで頻繁に「なるほど」を使っているとポロッと出てしまうかもしれません。「おっしゃる通りですね」「ごもっともです」を、ぜひ今日から意識して使っていってください。

誘いを断るときに最初に言う「ごめん」

イベントや食事会に誘われたけど、どうしても予定があって参加できないとき、多くの人は第一声で「ごめん」と伝えます。

相手からすると、誘っていいものかどうか迷い、勇気を出して誘ったのかもしれません。それなのに「ごめん」と謝られてしまうと、相手に謝らせてしまったと罪悪感を抱き、次回から誘いにくくなります。

謝罪から入ってしまうと、次からお誘いや声を掛けられなくなる可能性が高くなる、というわけです。

断ることは悪いことではないので、謝罪は不要。

誘いを断るときは、まずは感謝の気持ちを示すことが大切です。「ごめん」という言葉は、次のように言い換えてみましょう。

(例)「ありがとう! 誘ってくれてすごく嬉しい。でもその日は残念ながら参加できなくて。実家で法事があるのよ。また今度誘ってよ!」

感謝をされると人は嬉しいもの。「この人に声をかけると、毎回気持ちがプラスになる」と思ってもらえるでしょう。

沖本るり子先生の最新刊『「結局、何が言いたいの?」と言われない 一生使える「1分で伝わる」技術』(大和出版)には、今回ご紹介した以外にも、「説得の仕方」「即決してもらう伝え方」「反対意見の伝え方」など、たくさんの伝え方が記されています。

読むだけでも伝える能力が飛躍的にアップするでしょう。「伝えるのが苦手」「もっと上手に伝えられるようになりたい」という方は、ぜひ手にとってご覧になってみてくださいね。

(mimot.(ミモット)/ 黄本 恵子)

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