反転攻勢「非常に困難」 ゼレンスキー氏「後退はしない」

7月、ウクライナ東部ドネツク州バフムト近郊の前線を訪れたゼレンスキー大統領(大統領府提供・ロイター=共同)

 【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は8日、領土奪還に向けた反転攻勢について「望んでいたよりも遅く、全てが非常に難しい」との見解を示した。その上で「後退はしない。主導権はウクライナが握っている」とも述べ、進軍を続けると強調した。地元メディアが報じた。

 米CNNテレビは8日、今後数週間でウクライナ軍が劇的に局面を好転させる可能性は非常に低いとの欧米高官の見立てを伝えた。外交官の一人は「ロシア軍は多くの防衛線を築いている。(ウクライナ軍は)第1防衛線を突破していない」とした。

 ウクライナ軍高官は地元メディアに対し、南部ザポロジエ州の拠点都市メリトポリ方面とアゾフ海に面するベルジャンスク方面で攻撃を続けており、既に第1防衛線に到達したと主張。前進を続けているものの地雷の影響や戦闘機不足により、進軍が遅れていると説明した。

 一方、モスクワのソビャニン市長は9日、市郊外の2カ所に2機のドローン攻撃があったと通信アプリで明らかにした。いずれも撃墜し、負傷者はないという。

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