大分市の浜田さん、バトントワーリング世界大会に挑む 「演技を楽しみたい」【大分県】

世界バトントワーリング選手権大会に日本代表として出場する浜田史弥さん。バトンを回転させるスピードやダイナミックさが強み=大分市久原の日吉原体育館
2017年、クロアチアで開かれた「世界バトントワーリング選手権大会」のジュニア部門で優勝した浜田さん(浜田史弥さん提供)

 【大分】大分市の「アンジェリークBATONチーム」の選手兼コーチ、浜田史弥さん(23)=同市=が、9日に英国・リバプールで開幕する「IBTF世界バトントワーリング選手権大会」の男子シニア部門に出場する。2017年に同大会のジュニア部門で優勝した実力者。鍼灸(しんきゅう)師として働きながら6年ぶりの日本代表に返り咲いた。「悔いのないよう力を出し切り、演技を楽しみたい」と意気込む。

 今年2月の九州大会(長崎市)、3月の日本代表選考会(浜松市)で世界への切符をつかんだ。39カ国の代表選手が出場予定。浜田さんは1本のバトンを投げ上げたり回転させたりして、技術の正確さやスピード感を競う種目ソロトワールに挑む。

 小学1年から習い始め、大分東明高3年の時に世界チャンピオンに。栄光と引き換えに苦悩を味わった。「翌年は予選敗退。本番が怖くなり、緊張して思うように力が出せなくなった。出場しても、どうせ無理だと諦めた時期もあった」

 支えになったのは世界大会の楽しい記憶。「もう一度あの舞台に立ちたい」と願った。寄り添い、鼓舞し続けてくれたコーチ、女手一つで育ててくれた母に応えたい思いもあった。

 指導者としての将来を見据え、高校卒業後は大分市の大分医学技術専門学校へ。けがをしない体づくりや治療法を本格的に学び、鍼灸師の国家資格を取得した。

 現在は市内の鍼灸整骨院に勤務。チームでは4月からコーチも務める。指導を通じて基礎を再確認でき、自分の演技にも生かせるという。

 チームの湯川由美子代表(59)は「練習時間の確保に苦労しながら努力を続ける姿に頭が下がる。後輩たちの励みになる」。

 ゆくゆくは世界で活躍する生徒を育てたい、と浜田さん。「指導者としても次につながる大会にしたい。諦めずに続けてきて良かったと思えるように頑張ります」と誓った。

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