被爆漫画家・西山さん追悼展 原画や作業机など展示 長崎被災協で10日まで

会場には4こま漫画「おり鶴さん」など、筆遣いが感じられる原画などが並ぶ=長崎市、長崎被災協

 昨年10月に94歳で亡くなった被爆漫画家、西山進さんの追悼展「おり鶴さん~漫画で描きつづけた被爆者の戦後~」が8日、長崎市岡町の長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)で始まり、西山さんが残した原画など53点や生前の作業机などを展示している。10日まで。
 西山さんは17歳の時、少年工として働いていた三菱長崎造船所立神工場で被爆した。1979年11月から40年以上、機関紙「被団協」に4こま漫画「おり鶴さん」を連載。ユーモアに富む人柄がにじむ、ほのぼのとしたタッチで描くわずか4こまの世界は、被爆者運動を温かく励ましてきた。
 8日は交流証言者の調仁美さん(61)が西山さん直筆の紙芝居を披露。「西山さんは伝える力を持っている方。せっかく残されたものを生かせるようにしていきたい」としのんだ。
 西山さんのおいにあたる船橋市の会社員、齋藤崇さん(52)は「親族にはあまり戦争体験は話さなかった。絵を通じ西山進の世界を伝えてもらえたら」と話した。展示は午前9時から、9日は午後4時、10日は同2時まで。天候により変更の可能性がある。

© 株式会社長崎新聞社