全国高校野球 両監督に聞く 創成館・稙田監督 星稜・山下監督

対戦を前に握手を交わす創成館の稙田監督(右)と星稜の山下監督=甲子園

 長崎県代表の創成館は10日に星稜(石川)との初戦に臨む。相手は2年連続22度目の出場で、2019年は準優勝している名門。決戦を前に創成館の稙田龍生監督(59)、星稜の山下智将監督(41)にそれぞれの印象や目指す試合展開、意気込みなどを聞いた。

 -相手チームの印象と警戒する選手は。
 稙田 投手もいいし、打力もある。力と力ではなかなか立ち向かうことはできないと思う。警戒したいのは(武内、近藤の)バッテリー。どちらも九州出身で、私も正直欲しかった選手。この2人をマークしたい。
 山下 走塁、小技を含めて非常にバランスが取れている。そういう強いチームと甲子園でやらせてもらえることは本当に幸せで、試合の日を楽しみにしている。投打の中心の(4番)永本君の前に走者を出したくない。
 -勝負のカギ、目指す試合展開は。
 稙田 少ない失点でしのがないといけないので継投がカギ。長崎大会はチーム打率2割5分2厘で得点力はまったくなかった。少ないチャンスを物にできるかどうか。勝ちパターンとしては3、4点勝負かなと。5点は取れないと思っている。
 山下 石川大会はミスが多かった。何とか我慢してここまで来た。甲子園に行ったら石川大会の準決勝、決勝みたいな接戦しかないぞと生徒たちに言ってきた。無駄な失点をなくして、最終的に相手よりも1点でも多く取って競り勝ちたい。
 -自チームのキーマンや期待する選手は。
 稙田 永本。打っても投げても一番のキーマンになる。1番バッターの川﨑は県大会で一番打率が良かったし、出塁率も良かった。何とか初回に出てもらいたい。
 山下 バッテリー。2人の投打にわたる活躍に期待したい。大ベテランの監督さんとの差が出ないように、私自身も落ち着いてやらないといけないと思っている。
 -意気込みを。
 稙田 ようやく甲子園で試合ができるなと実感している。いまさら技術が上がるわけではない。コンディショニングだけはベストで臨めるようにと選手たちに言っている。うちは力がないので一戦必勝しかない。上は見ていない。目の前の一勝一勝を積み重ねていく。
 山下 昨年、愛工大名電(愛知)さんとの初戦で序盤に大量失点して敗れた。浮足立っていた感じがあった。それを経験した選手も何人か残っている。同じ失敗をしないよう、甲子園に出るだけじゃなくて勝つぞと取り組んできた。とにかく初戦をしっかり迎えたい。


© 株式会社長崎新聞社