見守り拠点増設、早急に 熱中症疑い中学生死亡、米沢市民ら意見交換

女子中学生の死亡を受け、熱中症から子どもを守るための方策について話し合った意見交換会=米沢市・置賜総合文化センター

 米沢市で先月28日、部活動からの帰宅途中だった女子中学生が熱中症の疑いで搬送され、その後、死亡したことを受け、民間事業者や市民による意見交換会が8日、米沢市の置賜総合文化センターで開かれた。帰宅途中で亡くなったことを踏まえ、バスでの通学エリア拡大や、通学路の見守り拠点の増設など、今後、再発防止に向けた提案を市教育委員会に申し入れる必要性を確認した。

 市内で不登校などの若者の支援に取り組むNPO法人With優の白石祥和代表が会員制交流サイト(SNS)で呼びかけ、女子中学生が通っていた米沢三中学区を中心に、市内の企業経営者、子育て世代、医師、市議ら約30人が参加した。

 通学にバスやタクシーを利用した際の補助対象は現在、学校から自宅までの距離が6キロ以上となっている。通学や下校途中の体調不良など、不測の事態で命を落とすことを防ぐため、この距離規定を緩和する必要性を指摘する意見が出た。現場の近くに住む参加者は「(女子中学生は)民家が少ない場所で倒れた。早く対策を考えてあげられていれば防げたかもしれない」と涙ながらに訴えた。

 「緊急連絡ができるよう学校でのスマートフォンの所持を許可すべきだ」「自転車ヘルメットを通気性の良いタイプに変えるべきだ」などの声もあった。「こども110番」など通学路の見守り拠点の増設を求める意見もあった。白石代表は「熱中症の正しい知識について保護者世代が学ぶ必要もある」と話した。

 女子中学生は先月28日、部活動から自転車で帰宅途中に、学校から2.5キロほどの路上で倒れていた。熱中症の疑いで救急搬送され、同日夜、亡くなった。

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