米代表選手の「価値観」批判 女子W杯敗退でトランプ前大統領

8日、米ニューハンプシャー州で話すトランプ前大統領(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】サッカー女子W杯での米国の敗退を受け、トランプ前大統領が「多くの代表選手は米国に敵対的だった」と批判し、波紋が広がっている。リベラルなスター選手との因縁を背景に、進歩派の価値観が敗退の原因だと主張し、支持層である保守派にアピールした。

 「ナイスショット、メーガン」。前大統領はSNSで、6日のスウェーデンとのPK戦で失敗したメーガン・ラピノー選手を皮肉った。同性愛者と公表し、男女格差の是正にも取り組むラピノー氏を「意識高い系」を意味する「woke(ウォーク)」とやゆして「失敗と同義だ」とこき下ろした。

 バイデン大統領が米代表の敗退後に、SNSで健闘をたたえ「あなた方が米国民を奮い立たせ続けることを期待している」と述べたコメントとは対照的だった。

 前大統領と、今季限りでの引退を表明しているスター選手のラピノー氏との因縁は4年前にさかのぼる。女子代表が19年のW杯で優勝した後、ラピノー氏はトランプ政権のホワイトハウスへの表敬訪問を拒否。前大統領は不快感をあらわにしていた。

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