【九重】九重町右田の八鹿酒造(麻生益直社長)は、敷地内を案内しながら150年以上の歴史や酒造りのこだわりを紹介する無料の見学ツアーを再開した。新型コロナウイルスの感染拡大以降、しばらく中断していた。「長い歴史がある酒は自信を持って薦められる。あらためて多くの人に知ってもらいたい」と利用を呼びかける。
見学ツアーは約15分。同酒造の再興に尽力し、地域貢献にも熱心だった麻生観八(1865~1928年)の直筆の書や、バーボン樽の中で3年間寝かせる麦焼酎「銀座のすずめ琥珀(こはく)」の製造過程を見ることができる。昭和中期に建てられ、当時としては珍しかった鉄筋コンクリート造りの酒蔵なども案内。「八鹿」の語源や商品名の由来といったさまざまなエピソードも紹介する。
5月の大型連休ごろから徐々に希望者が増え始め、再開を決めた。県内外からのバス旅行の他、町内の旅館やホテルで八鹿の酒を飲んで立ち寄ったという観光客も多く訪れ、ツアーは好評を博している。
定例の開催ではなく、予約が必要。販売コーナー担当でトップガイドの1人、木村光江さん(61)は「八鹿という名前は知られていても、商品の知名度はまだまだ高いとはいえない。10種類以上の日本酒や焼酎が試飲できるので、味と名前をもっと知ってもらえたらうれしい」と話す。
問い合わせは八鹿酒造(0973.76.2888)。