犠牲者に永遠の安らぎを 長崎・浦上天主堂で早朝ミサ

原爆犠牲者に祈りをささげる信徒=長崎市、浦上天主堂

 長崎市本尾町の浦上天主堂では午前6時から、原爆で犠牲になった信者を追悼するミサがあった。台風の影響で例年の半分、約100人が参列。犠牲者の鎮魂と平和を願う祈りをささげた。
 爆心地から約500メートルの場所にあり、崩壊した旧天主堂内にいた司祭2人と信徒24人が即死した。浦上地区の信徒約1万2千人のうち約8500人が犠牲になったという。
 中野健一郎助任司祭が「原爆で犠牲になった方々の永遠の安らぎを願い、祈りましょう」と呼びかけると、信徒は静かに手を合わせた。聖歌を繰り返し口ずさんだ。
 毎年参列している山田笑子さん(82)は4歳の時、同市西山町(当時)の自宅で被爆。同市上野町に住んでいた夫は家族9人を亡くした。「外で遊んでいる時に『ピカッ』と光った。目を刺すような光だけは今でも覚えている」と振り返り、ロシアによるウクライナ侵攻について「対話で平和の実現を」と訴えた。

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