柔道 男子個人66キロ級 三好(長崎日大)笑顔なき銅 北海道インターハイ

【柔道男子個人66キロ級準決勝】投げ技を狙う三好(長崎日大)=札幌市、北海きたえーる

 全国高校総合体育大会(インターハイ=翔び立て若き翼 北海道総体2023)第19日は9日、各地で6競技が行われ、長崎県勢は柔道男子個人66キロ級の三好優希(長崎日大)が銅メダルを獲得した。自転車男子スプリントの田中衛太(鹿町工)も6位入賞した。
 アーチェリー女子団体の佐世保商は16校による決勝トーナメントに進んだ。男子団体の大村工は予選を通過できなかった。バレーボール男子の大村工は決勝トーナメント2回戦で川内商工(鹿児島)に1-2で惜敗。卓球団体に男女出場した鎮西学院は、いずれも1回戦で敗れた。
 第20日は10日、各地で卓球、柔道、アーチェリーなど5競技を実施する。

◎日本一に届かず 「また一から鍛え直す」

 柔道男子個人66キロ級の三好(長崎日大)が春の全国選抜大会に続いてメダルを獲得した。だが、その色は「銀」から「銅」に変わり、目標としていた「インターハイで日本一」に届かなかった。「悔しさだけしかない」。試合後の言葉は重く、笑顔はなかった。
 春に準優勝して以降、当然のように対戦相手は研究してくるようになった。得意の背負い投げを警戒され、それまでのような思い切りのいい攻めができなくなった。
 それを逆手にとって攻撃の幅は広げた。背負い投げの動きを見せ、相手が構えたところを小内刈りや大外刈りで揺さぶり、隙をつくって背負い投げで一本を奪う。準々決勝までは「自分の柔道ができていた」と手応えを得ていた。
 準決勝の相手の福地(修徳)とは公式戦での対戦は初めて。練習試合で何度か組んだことがあったが、攻められずに引き分けるケースが多かった。この日も序盤から互いに譲らず、一つずつ指導を受けて延長へ。迎えた延長3分28秒。消極的と判断され、三好に二つ目の指導が入った。「気持ちで負けてしまった」。不完全燃焼のまま、夏の挑戦が終わった。
 8日の団体戦で1回戦敗退。その分まで頑張って優勝して、同じく個人戦を控えている仲間たちに「勢いをつけたかったが、できなかった」と唇をかんだ。「また一から鍛え直す」。春に銀、夏に銅という輝かしい実績を残しながら、志の高い3年生はまた「精進」を誓って会場を後にした。

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