大田原市デマンド交通、個人情報漏えい トイレに予約表張り付け「ツバメふん落下防止に」

乗車予約表がはられた公衆トイレの照明器具=10日午後、大田原市黒羽田町

 栃木県大田原市は10日、市デマンド交通を運行する市内事業者が、利用者の氏名や住所などが記載された乗車予約表用紙から個人情報を漏えいさせたと発表した。

 デマンド交通運転手が6月下旬から7月上旬、同市黒羽田町の「田町ロータリー」男性用トイレ洗面所の二つの照明器具に、不要になった予約表用紙3枚を張り付けた。個人情報が書かれた面を内側にしていたが、2枚の用紙が剥がれ、市民から同17日に利用者3人分の個人情報が見えるなどと市に連絡があった。もう1枚は剥がれなかったが、1人の個人情報が書かれていた。器具の一つにツバメの巣があり、用紙はふんや土の落下防止、巣作り防止で張り付けたという。

 市は使用済みの用紙が誤って廃棄用に分類され使われたとして「事業者の個人情報を扱う意識が欠如していた」と指摘。4人に謝罪し、事業者に再発防止を徹底させたという。相馬憲一(そうまけんいち)市長は「ご迷惑をお掛けして申し訳ない」と述べた。

内部の照明器具に乗車予定表がはられた公衆トイレ=10日午後、大田原市黒羽田町

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