栄冠から10年「さのまる愛」新たに ゆるキャラグランプリから節目 佐野市、ファン参加の取り組みなど続々

「さのまるの家」イベントにボランティアとして参加した佐野日大短大の学生たち

 栃木県佐野市のブランドキャラクター「さのまる」が、2013年のゆるキャラグランプリで優勝してから今年で10年となる。節目を迎え、市はファンや学生などを巻き込んだ取り組みを通し、改めて市民ぐるみの「さのまる愛」醸成に努めている。高砂町のビルから市役所1階へと今春移転した「さのまるの家」を拠点に、ファンが壁面デザインを考案するデザインワークショップや、地元の短大生にボランティアとして参加してもらうイベントを、このほど相次ぎ開催した。

 対面での活動が制限された新型コロナウイルス禍を経た今年、さのまるの活躍は目覚ましく、大忙しだ。2月に4年ぶりの対面式の「さのまるの日イベント」、5月には移転した「さのまるの家」のお披露目式が開催。いずれも大盛況となった。

 市広報ブランド推進課は「これまでは市外に向けた認知度向上のため、さのまるを見てもらうことを主体に活動を広げてきた」と振り返った上で、今後に向け「応援してくださる(会員制の)『さのまるサポーターズ』の皆さんをはじめ、学生や市民と一緒にさのまるを進化させていければ」と意気込む。この考えの下、ファンや市民が意見などを出し合うことで、さのまるの魅力を再認識してもらえる機会をつくった。

 その一つとして開催したイベントには、佐野日大短期大の学生11人が参加した。学生たちは、さのまるとダンスを披露したり、ゲームの対戦相手になったりして、会場を盛り上げた。同短大2年津久井千尋(つくいちひろ)さん(19)は「さのまると一緒に活動ができてうれしい」と声を弾ませた。

 市は今後もファンや学生の意見を取り入れながら、毎年恒例の「さのまるの日イベント」など、さまざまな企画を充実させていく考え。同課の大澤美希(おおさわみき)課長は「10年前にゆるキャラグランプリで優勝した時のように、市と市民が一丸となってさのまるを応援する機運を盛り上げ、郷土愛の醸成につなげたい」と話している。

佐野日大短大の学生がボランティアとして参加した「さのまるの家」イベント

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