ローカル鉄道の存続に愛媛県知事「国会議員は声を大にして暴れてほしい」 “赤字路線切り捨て”の動きに警戒感

経営が厳しいローカル鉄道の再編を促す「改正地域公共交通活性化再生法」の施行が今年10月に迫る中、愛媛県の中村時広知事は10日、“赤字路線切り捨て”の動きに警戒感を示した上で「今こそ国会議員が声を大にして暴れてほしい」と述べました。

10月に施行される「改正地域公共交通活性化再生法」では、経営が厳しいローカル鉄道について、国が「再構築協議会」を設置し、改善策や存廃を話し合うことが盛り込まれていて、JR四国は議論の候補として、予讃線の海回りや愛媛と高知を結ぶ予土線などを挙げています。

愛媛県の中村時広知事は10日の会見で、1987年に旧国鉄が分割・民営化された際「新幹線事業を持たないブロックは、経営が厳しくなることはわかっていた」と指摘。

JR四国は「経営安定基金」が創設され、その運用益で赤字を穴埋めする前提だったことなどに触れ「スタート時の条件がすべて崩れたので、そもそも論の議論をやるべき」と訴えました。

愛媛県・中村時広知事
「(民営化の)スタート時の条件が、人口は今後も右肩上がりで増えていくだろう、経済は緩やかながらも発展し続けるだろう、かつ、当時1980年代ですから例えば銀行金利も5%、6%の時代なんです。でもスタート時の条件が全部崩れました。人口は減少に転じ、経済成長は低成長に入り、金利はゼロないしはマイナス金利、3つが全部崩れているんです。だとするならば、前提条件で実施された分割民営化、社会インフラとしての意義、こういったことを国の責任で議論すべき時が来たと、個人的には思っています。今こそ特に愛媛、四国、北海道の国会議員、人数は少なくなっているんですけど、声を大にして暴れていただきたいなと思います」

中村知事は「問題の本質を紐解いておかないと、儲かる所だけ残すという議論になる。そうなれば、北海道や四国はひとたまりもない」と“赤字路線切り捨て”の動きに警戒感をあらわにしました。

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