小松40度、全国トップ 県内全域猛暑日

  ●熱中症津幡で50代男性死亡

 10日の石川県内はフェーン現象の影響で猛烈な暑さが続き、小松で観測史上最高の40.0度を記録した。この日、全国で最も高く、今月5日に同じ気温を観測した福島県伊達市と並んで今年トップの暑さとなった。羽咋は全国10番目の38.7度。七尾の38.1度、加賀中津原の37.6度、白山河内の37.4度も過去最高を更新し、金沢は8月としては最も高い38.3度を観測した。全11地点で35度以上の猛暑日となり、津幡町では50代男性が熱中症の疑いで死亡した。

 小松は3日に39.0度を観測し、最高記録を塗り替えたばかりだった。県内観測史上1位の40.1度(2019年8月15日、志賀)に迫る水準となった。

 金沢地方気象台によると、県内は、連日の晴天・高温で大気全体が温まっているところに、南から暖かく湿った空気が流れ込む状況が続いている。10日は台風6号の北上に伴って南風が山を越える際に熱を帯びるフェーン現象が強まり、気温が大きく上がった。

 同気象台の担当者は、今回は南東の風が強かったとし、「小松など南加賀や福井県北部は白山連峰を越えた風が向かう正面に位置しており、影響を受けやすかった」と説明。やや離れた金沢は西からの海風が流れ込んだ分、気温の上昇が抑えられたという。

 広い範囲で体温を超える「危険な暑さ」に見舞われ、10日連続で熱中症警戒アラートが発表された。

  ●自宅で意識不明

 津幡町では未明、自宅で意識不明の状態で見つかった50代男性が病院に搬送され、死亡が確認された。町消防本部によると、死因は熱中症とみられる。

 このほか、少なくとも8市町で13人が熱中症の疑いで救急搬送された。2人が中等症、9人が軽症とみられる。2人は程度不明。

  ●11日も警戒

 11日はフェーン現象が弱まるものの、猛烈な暑さは続く見込み。気象庁などは熱中症の危険性が極めて高くなるとして、引き続きアラートを出し、不要不急の外出を控え、室内ではエアコンを適切に使用するなど対策を呼び掛けた。

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