【台風情報】小笠原に迫る “台風の目” 非常に強い台風7号 お盆に本州直撃へ 進路予想は関西・東海・関東どこに?予報円大きいワケを米軍・海外予想と比較

台風の目ハッキリ 非常に強い勢力に お盆に本州を直撃か

すでに台風7号は「非常に強い勢力」まで発達しています。11日(金)午前9時には父島の東南東にあって中心気圧は940hPa、中心付近の最大風速は45m/sで、ゆっくりとした速さで北へ向かっています。衛星画像では小笠原のすぐ東に巨大な台風の目がハッキリと見ることができます。

気象庁(11日午前9時発表)

気象庁の進路予想では、このあとさらに発達しながら北上する予想です。時速10km/s程度のゆっくりとした速さで日本へと近づくでしょう。

15日(火)午前9時には東海地方の沖合を中心とする予報円に強い勢力で達し、16日(水)午前9時には本州を中心とした予報円に達する予想です。強い勢力のまま上陸するおそれがあります。

台風7号が発達しながら北上が予想されるのは、海面水温が29℃以上と高くなっている海域を進むとみられるためです。

アメリカ海軍(11日午前3時発表)

気象庁の予想と同じように北上して日本列島へと向かう進路予想となっています。15日(火)未明には東海地方沿岸、16日(水)未明には本州付近を通過したあと日本海に達していることを示しています。こちらも10日(木)までの予想よりも台風を発達させる予想です。

台風7号の動きがゆっくりな理由について気象衛星ひまわりの水蒸気画像を見てみましょう。水蒸気画像は大気の中~上層の水蒸気量を把握できます。水蒸気量が多いと白く映り、少なく乾燥していると黒く映る特徴があります。

台風7号の北側に黒いエリアが広がっていますが、これは上空の太平洋高気圧です。高気圧が日本列島付近まで西に張り出しているため台風7号はすぐに北上できない状況なのがわかります。

また日本付近に来た台風を加速させる要因の一つである上空の強い西風(偏西風)は日本のかなり北に位置していることもわかります。

ところで気象庁の進路予想で示される予報円は「その時間に台風の中心が入る確率が70%の円」です。5日先の予報円は日本の東海上から中国地方までが含まれる大きな円となっていますが、予報円の大きさは予想のブレ幅を表します。そのあたりを海外予報機関の予想データなども参考にみていきます。

欧米モデルも本州直撃が多数 お盆期間に大きな影響か

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

ヨーロッパ中期予報センター(10日午後9時予想)

ヨーロッパモデルのアンサンブル予想結果(240時間先まで)を見ると、個別の予想結果である一つ一つのラインが西日本から東日本までバラツキがあることがわかります。予報円の大きさはこうした予想のブレ幅が反映されています。

アメリカ海洋大気庁(10日午後9時予想)

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報(240時間先まで)も進路予想のバラツキは大きいですが、大まかな傾向はヨーロッパモデルと変わりません。東海地方方面を中心に西日本から東日本までバラツキがみられます。

現在の進路のブレ幅が非常に大きいのは、上空の太平洋高気圧の今後の張り出し方や、台風7号のすぐ北にある上層寒気を伴う低気圧の動き、週末に大陸から進んでくる上空の気圧の谷によって偏西風が蛇行するタイミングなど様々な要因がどう絡んでくるかの予想がまだ定まっていないためです。

ただコースにはバラツキはあるものの気象庁や海外の予報機関の進路予想の大まかな傾向としては、お盆に関西~関東にかけて本州のどこかを直撃する可能性が高まっているといえます。強い勢力で上陸するおそれがあります。

大雨や暴風など大荒れの天気が予想されるほか、お盆休みと重なるため交通機関にも大きな影響が出るおそれがあります。今後の最新情報に注意してください。

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